家を高く売る方法とコツ。売却の手順や流れ、税金について
目次
家が売れるまでの期間
家を売る場合、どれぐらいの期間で売れるのか不安になる方も多いと思います。
もちろん購入希望者が現れるタイミングによって変わってきますが、早く売れやすい家や高く売れる物件には共通点がいくつかあります。
家を売る場合、「できるだけ早く売りたい」という思いや「税金の支払い期限までに売っておきたい」といった考えがあると思います。
そのような方にとって、売却にかかる期間はとても気になる点だと思います。
そこで、家が売れるまでの流れと実際に必要な期間の目安をご案内します。
家の売却(物件の引き渡し)までの期間は3ヶ月~6ヶ月
家を売ると決めてから実際に売却が完了するまでには、約3ヶ月~6ヶ月ぐらいはかかります。
【内訳】
- 家の査定~不動産会社との媒介契約: 2週間~1ヶ月
- 販売(売却活動)~売買契約: 1ヶ月~3ヶ月
- 物件の引き渡し: 1ヶ月~2ヶ月
かなり順調に話が進んだとしても最短で3ヶ月ぐらいはかかると考えておいた方がよいでしょう。
逆に、家がなかなか売れずに売れ残ったり、事前にリフォームして売りに出すことになった場合などは、半年以上かかる場合もあります。
売却の流れや手順
次に、スケジュールと合わせて家を売る手順や売却の流れについて説明していきたいと思います。
具体的な家の売却スケジュールは以下のようなイメージです。
① 家の査定~不動産会社との媒介契約
期間の目安: 2週間~1ヶ月
マンションや一戸建てを売る場合、まずは不動産会社に査定を依頼します。
家を査定してもらうことで、およその売値を把握することができます。
また、その後の税金なども把握できるようになります。
ただ、不動産会社に査定額を出してもらうといっても、どこにお願いすれば良いか悩まれる方が大半だと思います。
ひとつひとつの不動産会社に問い合わせていくのは大変な労力となりますので、できるだけスムーズに進めるためにも「不動産の一括査定サイト」の利用をオススメします。
「不動産の一括査定サイト」とは、無料で利用できるサービスで、一度の情報入力だけで、複数の不動産会社に一括で査定を依頼することができます。
このようなサービスを利用することで、時間を節約しながら、複数の会社から査定価格を取り寄せることができます。
家の査定価格に納得でき、不動産会社の担当者も信頼できると判断できたら、不動産会社と媒介契約を結んで正式に仲介を依頼することになります。
② 販売(売却活動)~売買契約
期間の目安: 1ヶ月~3ヶ月
媒介契約を結ぶと、実際に売却に向けて不動産会社が動いてくれるようになります。
不動産会社は、チラシを作成したり、インターネットに情報を掲載したりして、不動産を探している人に向けてアピールします。
また、内覧を希望される購入検討者の方が現れると、担当者が内覧に立ち会ってくれます。
次に、実際に買い主が現れると「売買契約」を結ぶことになります。
売り主は、買い主から手付金として売却価格の一部(売却価格の5%~10%が一般的)を受け取ることができます。
また、不動産会社によって異なりますが、一般的にはこの段階で、売り主が不動産会社に仲介手数料の半額を払うケースが多いようです。
なお、この段階ではまだ売却は完了していません。
家の売却を完了するには、次の「物件の引き渡し」が必要になります。
③ 物件の引き渡し
期間の目安: 1ヶ月~2ヶ月
売買契約を結ぶと、購入者(買い主)は住宅ローンの審査を受けるようになります。
この住宅ローンの審査などが終われば、売主は「残金の受け取り」と「物件の引き渡し」に進むことができます。
他の手続きも完了し、無事に物件を引き渡すことができた段階で、晴れて家の売却が完了した状態となります。
早めの準備が大切
以上が、家を売る場合の流れとスケジュールになります。
このスケジュールで考えると、家を売るためには約6ヶ月(半年)はかかると考えておいた方がよいでしょう。
また、税金の支払いなどで売却を検討されている場合には、支払い期限の半年以上前から売却に向けて動かれておいた方が安全です。
ただ、家が売れるまでの期間は、実際に売る物件によって異なります。
例えば、価格を高めに設定したり立地に難がある場合などは、家が売れるまでに1年以上かかってしまう場合もあります。
そのため、時間に余裕をもって動かれることをおすすめします。
不動産会社へ支払う仲介手数料
マンションや一戸建てなどの不動産を仲介業者に依頼して売却した場合、「仲介手数料」を不動産会社に支払う必要があります。
この「仲介手数料」は、普段の生活では馴染みがないため、どれぐらいの金額になるのか、いつ支払う必要があるのかなど、いろいろと不明な部分が多いと思います。
そのため、できるだけ分かりやすく「仲介手数料」について説明したいと思います。
仲介手数料はいくらかかるの?
不動産の賃貸の場合は皆さんもよくご存知のとおり、家賃の1ヶ月分などが多いですよね。
でも、家を売る場合は、全く違う計算方法で仲介手数料を計算するようになります。
簡単に仲介手数料を計算する方法
不動産の売却価額が400万円を超える場合は、以下の計算方法で簡単に仲介手数料を計算できます。
売買価格×3%+6万円+消費税
例えば、売買価格が1000万円の場合、1000万円に0.03をかけて、6万円を足して、1.1(消費税10%)をかけると、396,000円となります。
この396,000円が仲介手数料の金額です。
売買価格が400万円以下の場合
上記の計算方法は、売買価格が400万円を超える場合に使える計算式です。
売買価格が400万円以下の場合は、少し面倒になります。
算定方法は、以下のとおりです。
200万円以下の部分については、売買価格の5%
200万円を超えて400万円以下の部分については、売買価格の4%
上記によって求められた金額に、さらに消費税を足すことで仲介手数料が計算できます。
仲介手数料の早見表
※以下の仲介手数料は、消費税(10%)込みの金額です。
売買価格 | 仲介手数料 |
---|---|
500万円 | 231,000円 |
1,000万円 | 396,000円 |
1,500万円 | 561,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
2,500万円 | 891,000円 |
3,000万円 | 1,056,000円 |
4,000万円 | 1,386,000円 |
5,000万円 | 1,716,000円 |
いつ仲介手数料を支払うの?
不動産の売買が成立した段階で、仲介手数料の支払いが発生します。
具体的には、不動産の売買契約を結んだ段階で仲介手数料の半額、不動産を買主に引き渡した段階で残りの仲介手数料を支払うというのが一般的です。
ただし、仲介手数料の支払いのタイミングは法律で決まっているものではありませんので、事前に不動産会社の担当者にしっかり確認しておきましょう。
高く売れるマンションや一戸建ての特徴
高く売れる家にはいくつかの共通点がありますので、その特徴をご紹介します。
- 交通の利便性が良い
- 周辺環境や立地が良い
- 駐車スペースがある
- 人気の建築メーカーの家やマンションシリーズ
- 日当たりや眺望が良い
- 一般的な間取りや面積
- 水回りなど室内がキレイ
- 売却価格が相場よりも安い
詳細は以下のとおりです。
1. 交通の利便性が良い
電車の駅に近く、最寄駅まで徒歩で行ける物件は、通勤や通学などが楽ですので人気があります。
郊外の場合などで駅が遠いことが一般的な地域であれば、バス停までの距離が考慮される場合もありますが、駅から離れていることがネックになるため、駅に近い物件よりも人気は劣ります。
また、地方の田舎や中心部から離れた地域で、自動車での移動が一般的な場所であれば、最寄駅までの距離よりも、中心市街地まで車で何分で行くことができるかが重視される場合があります。
2. 周辺環境や立地が良い
売れやすい家の要素として、「周辺環境や立地の良さ」も大きく関係します。
例えば、
- 日当たりは良いか。
- 近くにスーパーなどの商業施設があるかどうか。
- 下水道や都市ガスが整備されているかどうか。
- 閑静な住宅街であるかどうか。
- 道路の幅員は十分な広さがあるかどうか。
- 中心市街地へのアクセスは便利かどうか。
など、実際に住んでみたときの居住環境や利便性が重視されます。
小学校の校区が重視される場合も
上記以外にも、小さなお子さんがいる家庭や新婚の夫婦の方が家を購入する場合は、小学校の校区(学校区域)も考慮される場合があります。
県内で人気の小学校などの場合は、子供をその小学校に入学させるために事前に引っ越しをされる家庭もありますので、そのような校区に立地する不動産であれば、校区外の家よりも売れやすくなります。
3. 駐車スペースがある
駐車スペースが敷地内にあるかどうかは重要です。
もし敷地内に駐車スペースがなかった場合は、近隣の月極駐車場を借りなくてはならなくなり、余計な出費が増えてしまいます。
そのため「駐車スペースの有無」は重要なポイントとなります。
なお、もしこれから売ろうと考えている一戸建ての敷地内に駐車スペースがない場合には、庭の一部を駐車スペースに作り替えるだけでも高い価格で売れる可能性が高まります。
4. 人気の建築メーカーの家やマンションシリーズ
人気のある建築メーカーの家や人気のマンションシリーズの場合、中古物件でも人気があります。
新築だと金額が高いということで中古で探す人もいるため、このような物件は売れやすくなります。
5. 日当たりや眺望が良い
日当たりや眺望の良さは家を売るために大切なポイントとなります。
戸建ての場合は庭の日当たりも考慮されます。
マンションの場合は、バルコニーからの西日が強い物件だとやや躊躇される場合がありますが、必ず南向きでないとダメということはありません。
強い日差しが部屋の中に入ると家具が傷んだりするため、北向きの物件を好む人もいます。
6. 一般的な間取りや面積
家の賃貸では普通とは異なる間取りの物件も人気ですが、通常、購入の場合はずっと長く住むことが前提になるので、間取りについては一般的なものの方が人気があります。
また、面積についても広ければ広いほど良いということはなく、標準的な面積の物件の方が人気があります。
面積が広すぎる場合、どうしても金額も高くなってしまいますので、その点でもデメリットとなります。
なお、最近は和室がない物件の方が売れやすい傾向にあります。
売れやすいマンションの特徴。買主が重視する階数・間取り・方位・設備
7. 水回りなど室内がキレイ
外観ももちろんですが、室内もキレイであればあるほど売れやすくなります。
また、キッチンやお風呂場などの水回りが古そうに見えたり、キレイに見えない場合は、内覧での印象はあまり良いものにはなりません。
家の購入希望者が自分でリフォームすることを想定して購入するケースも多いのですが、売主が事前にリフォームしてその費用を販売価格に含めても十分にお値打ち感のある金額になっていれば早く売れやすくなります。
8. 売却価格が相場よりも安い
近隣エリアにある同じような物件の販売価格よりも安い価格で売りに出す場合は、相場よりもお値打ち感があるため売れやすくなります。
ちなみに、最初は高い金額で販売しておいて後から何度も値下げをしてしまうと、購入を検討している人から「何か問題のある物件なのかな。」と不審がられてしまいますので、最初の価格設定はとても重要です。
自分で相場を知るには?
マンションや一戸建て住宅の相場は、その地域で実際に売買された類似の不動産の価格を基準にして決められます。
家を売る際に相場を把握する方法のひとつとして、国土交通省が地価公示・都道府県地価調査などの価格を検索できるサイトを公開していますので、参考にされてみてもよいかと思います。
また、実際に売買された価格を知りたい方は、国土交通省が公開している「不動産取引価格情報検索」で、土地のみ、土地と建物、中古マンションなどの過去にあった実際の取引価格を確認することができますので、参考にされるとよいでしょう。
公開されている情報には「土地の面積」や「建物の延床面積」「築年数」「建物の構造」のほか「前面道路の幅員」などもあり、様々な情報が掲載されています。
ただ、実際に取引があった不動産を特定できないかたちで公開されており、外観や内装などの写真もありませんので、その情報だけではどの不動産の売買かピンポイントで知ることはできません。
そのため、その一戸建てやマンションの雰囲気(老朽化の具合や外観・内装のデザイン性など)を確認することはできず、ご自身の不動産と高い精度で比較することは難しいため、あくまでも参考程度になるかと思います。
» 国土交通省 不動産取引価格情報検索(外部リンク)
高く売るなら、まずは不動産会社に査定を依頼しましょう
以上が「早く高く売れやすい家の特徴」となりますが、ご自身の不動産が客観的に見てこれらに該当する物件であるかどうか悩まれる部分もあると思います。
不動産会社に査定額を出してもらうことで、家の価値だけでなく、不動産会社からその査定額の根拠も教えてもらうことができますので、プロの視点から見たチェック内容なども知ることができます。
その際に高値で家を売る方法なども相談されるとよいでしょう。
売却に必要な書類などは?
売主側が準備する書類などは以下のとおりです。
- 銀行振り込み先情報(銀行の通帳)
- 不動産の権利証(登記済権利書または登記識別情報)
- 印鑑証明書
- 実印
- 本人確認書類
- 住民票、戸籍謄本
- 物件のパンフレット
- 設備の取り扱い説明書・保証書
- カギ
1. 銀行振り込み先情報(銀行の通帳)
不動産の売買代金を振り込むため銀行口座の情報(銀行の通帳)が必要になります。
不動産の売買では、どのような支払い方法でも問題はないのですが、不動産の取引では大きな金額が動くため、支払い方法(受け取り方法)は銀行振込が一般的です。
2. 不動産の権利証
売買が成立し不動産の引き渡しを行う際には、不動産の権利証を買主に渡すようになります。
具体的には、「登記済権利書」または「登記識別情報」が必要になります。
なお、平成18年までは「登記済権利書」が使用されていましたが、平成18年から平成20年にかけ法務局が順次電子化されていき、いまでは「登記識別情報」というものに変わっています。
ちなみに、名義変更などは司法書士に任せれば大丈夫です。
3. 印鑑証明書
印鑑証明書は、売買契約締結の際にも必要ですが、「代金の決済・不動産の引き渡し」の際にも必要です。
なお、印鑑証明書は3ヶ月以内に取得されたものでなければなりません。
なぜ印鑑証明書が必要かというと、重要な書類に実印を押した際、その印鑑が本当に実印でいるかを確認するためです。
印鑑証明書があれば、書類に押印された実印が正しいものであることを証明することができます。
4. 実印
売主は「代金の決済・不動産の引き渡し」の際、各種書類に印鑑を押すため実印が必要になります。
5. 本人確認書類
家を売る場合は高額な取引となるため、とても慎重に売買の手続きが行われます。
そのため、売主が本当に不動産の所有者であるかチェックするため、本人確認書類で確認することになります。
本人確認書類は、自動車の運転免許証やパスポートがあれば大丈夫です。
もしそれらがない場合には、保険証など2点以上の本人確認書類で本人であることを確認する必要がなります。
6. 住民票、戸籍謄本
もし売主の現住所が登記されている所有者の住所と異なる場合には、住民票や戸籍謄本で本当に本人であるかを証明する必要があります。
7. 物件のパンフレット
新しい所有者(買主)に不動産を引き渡す際、その不動産の情報が掲載されている「物件のパンフレット」を渡すことが多いです。
8. 設備の取り扱い説明書・保証書
不動産に附属しているエアコンや給湯システムなど、設備の取り扱い説明書は全て買主に引き渡します。
また、保証書がある場合は、それも全て引き渡します。
9. カギ
カギは、不動産の引き渡しを象徴するものになります。
引き渡すのは玄関のカギだけでなく、その不動産に関係する全てのカギを引き渡します。
不動産の売却で必要な書類。家の引き渡しや代金支払いのタイミングは?
家を売るとかかる税金
家を売るときに心配になるのが「税金」だと思います。
家を売った時にかかる税金は一つではなく、いろいろな税金がかりますし特例などもあったりして、いくらぐらいかかるのか分からないという方も多いと思います。
そこで、どのような税金がかかるのかご案内します。
不動産の売却でかかる税金について
- 譲渡所得税
- 住民税
- 復興特別税
- 登録免許税
- 印紙税
譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産を売って利益が出た場合に発生する税金です。
購入にかかった費用よりも売った金額が高ければ譲渡所得が発生しますので、所得税を納税することになります。
「譲渡所得税」は、譲渡所得に税率をかけて求めます。
不動産を所有していた期間によって税率が異なり、長く保有していた方が税金が安くなります。
住民税
住民税も売却益が発生した場合にその売却益に対してかかります。
住民税も譲渡所得税と同じように、不動産を所有していた期間によって税率が異なり、5年以下よりも5年を超えて保有していた方が税金が安くなります。
復興特別税
復興特別税とは、東日本大震災の復興に必要な財源を確保するために創設された税金です。
課税の対象となる人は、2013年~2037年の間に所得税を納める義務のある個人となっています。
登録免許税
登録免許税は、登記にかかる税金です。
「ローンの残債がある場合の抵当権抹消登記」の費用は売主が支払うようになるため、抵当権を抹消する場合は、不動産ひとつにつき1,000円の登録免許税がかかります。
印紙税
家を売る場合は、売買契約書に収入印紙を貼らなければなりません。
印紙税は、その収入印紙の金額のことで、収入印紙を購入して契約書に貼ることで納税したことになります。
税金の控除について
家を売って利益が出たからといって、そのまま譲渡所得税などがかかるわけではありません。
実際には以下のように様々な控除があります。
3,000万円控除の特例
居住用の家を売った場合に譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があります。
この特例を受けるには、
・自分で住んでいる家
・売主と買主が親族ではないこと
・過去3年間に同様の特例の適用を受けていないこと
などの条件がありますが、これらを満たしていれば売却益から3000万円を引くことが可能になります。
つまり売却益が3000万円だった場合にこの特例を受けると、売却益は0円になるということです。
この「3000万円特別控除」とは、譲渡所得から3000万円を引いて譲渡所得税を計算できる制度ですので、この特例により売却益が0円になれば譲渡所得税がかからなくなります。
家が夫婦共有なら2人とも特別控除を受けられる
この特別控除のすごいところは、マンションが夫婦など複数の所有者がいる場合には一人ひとりこの制度を利用できる点です。
例えば、家の売却益が6000万円になった場合で、夫婦がマンションを半分ずつ所有(共有)していた場合には、夫婦それぞれの譲渡所得は3000万円になりますが、「3000万円特別控除」も夫婦それぞれに適用されるため、譲渡所得税はかかりません。
買換え特例
家を買い替える場合、売却した価格よりも高い住宅に買い替える場合には「買換え特例」が利用できます。
この「買換え特例」を利用すれば、家を売ったことでかかる譲渡所得税や住民税、復興特別税をゼロにすることができます。
例えば、3000万円で購入した家を4000万円で売った場合は売却益が1000万円となりますが、売却価格より高い5000万円の家に買い替えた場合は、この特例を利用することができ課税されなくなります。
ただ、課税を繰り延べるだけの仕組みになりますので、もし次にその家を売ったときには繰り延べた譲渡益を加算しなければなりません。
なお、買換え特例を利用するための条件は以下のとおりです。
- 自宅を売ることが前提
- 直近2年間に3000万円控除などを受けていないこと
- 売却価格が1億円以下であること
- 居住期間が10年以上、所有期間が10年超であること
- 買いかえ先の建物の床面積が50平米以上
- 自宅を売った年の前年、売った年、その翌年の3年間に買い替えること
- 買いかえ先の住宅が耐火建築物の中古住宅の場合は築25年以内
- 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと
- 売った翌年に確定申告すること
なお、買い替え特例と住宅ローン控除は併用できません。
住宅ローン控除も所得税や住民税を大幅に減らすことができるのですが、不動産の状況などによってどちらがお得になるかが異なるため、不動産会社の担当者さんと相談するようにしましょう。
長く住めば税額が安くなります
家の所有期間が5年を超えた場合には「長期譲渡所得」となるため、税額が安くなります。
そして、さらに所有期間が10年を超えるともっと税額が安くなる軽減税率の特例という制度もあります。
そのため、家の所有期間が長ければ、その分税金も抑えられますので、いったん所有期間がどれぐらいになるかも把握しておいた方がよいでしょう。
固定資産税について
固定資産税は、その年の1月1日の時点で不動産を所有していた人に課税されます。
つまり、納税義務者(納税する人)は、その年の1月1日時点の所有者となりますので、その時点で所有していた人に対して「納税通知書」が送られてきます。
例えば、3月に不動産を売って既に手放していたとしても、その年の1月1日時点の所有者は売主になりますので、その年に送られてくる納税通知書は「売主」に届きます。
なお、不動産が市街化区域内にある場合は、土地と家屋に都市計画税もかかります。
都市計画税の支払いは固定資産税と同じく、その年の1月1日の時点で不動産を所有していた人に課税されます。
都市計画税は、固定資産税とあわせて税額が通知されますので、固定資産税の納税通知書で納めることになります。
固定資産税は「買い主」も負担するのが一般的
固定資産税は、前述のとおりその年の1月1日の所有者が納税することになりますので、この仕組みだと、例えばもし2月に不動産を買主側に引き渡したとしても、売主は固定資産税を1年分支払わないといけなくなります。
そうなると、売り主の負担が大きくなってしまいますよね。
そこで実際には、不動産を引き渡してからの日数分は「買主」が固定資産税を負担するケースが一般的です。
固定資産税の清算とその方法
家を購入した買主が固定資産税の一部を支払うことを「清算」といいます。
具体的には、固定資産税の税額を引き渡しの時点で日割り計算をして、買主が売主に支払う仕組みです。
この清算があることで、既に引き渡した不動産について売主が全て固定資産税を支払う必要がなくなります。
その結果、納税者はあくまでも売主ですが、不動産の売却後にあたる期間については、買主がその日割り分を負担する仕組みになります。
不動産を売却した際の確定申告について
マンションや戸建て住宅などの不動産を売った場合は、売却をした年の翌年の2月16日~3月15日の間で確定申告をする必要があります。
ただし、確定申告をする必要があるのは、売却によって利益を得た場合となります。
売って損失が出た場合には、確定申告は必要ありません。
※損失が出た場合も確定申告をすることで、還付金を受け取れたり税金が安くなる場合があります。
確定申告は会社員の方にとってはあまり馴染みがないことだと思いますが、家を売って利益が出た場合は、これまで確定申告をしたことがない人も必要になりますので注意しましょう。
確定申告について不安な方は、知り合いの税理士さんに相談したり、事前に税務署の無料相談などを利用されると良いでしょう。
確定申告に必要な添付書類
確定申告の際には、以下の書類を添付します。
- 土地と建物の全部事項証明書
- 売買契約書のコピーなど、売却時の関連書類
- 不動産の売却金額などが分かる譲渡所得の内訳書
- 売却した不動産について以前取得した際の関連書類
- その他
住宅ローンが残っていても売却は可能
マンションや戸建てを購入してみたら、思っていたよりもローンの返済が大変だと後悔される方も多くいらっしゃいます。
あと少しで完済できるのであれば、そのまま払い続けることもできるかもしれませんが、それがあと10年以上も続くとなると厳しい場合もあると思います。
特に近年の経済情勢では、10年後に確実に収入が上がっているという保障はありませんので、今後のローンの返済に不安を感じる人も少なくないと思います。
住宅ローンの返済に行き詰ってしまうととても大変ですので、そのような時は「家を売って、そのお金で住宅ローンを返済する」という選択肢もあります。
不動産を売って住宅ローンを一括返済
住宅ローンが残っていると家を売ることができないと思われている方もいらっしゃいますが、実は売却は可能です。
不動産を売ったお金で住宅ローンを返済することができます。
抵当権について
住宅ローンを返済しているということは、不動産に「抵当権(ていとうけん)」がついているということになります。
通常、不動産を購入する際は金融機関の住宅ローンを組みます。
その際、金融機関はその対象となる不動産に対して抵当権を設定します。
住宅ローンを返済しなかったらどうなるの?
住宅ローンを返済できなくなった場合、その不動産は競売にかけられてしまいます。
金融機関は対象の不動産を競売にかけることで、融資したお金を回収しようとします。
その競売で実際に落札されると、不動産はその落札者の手にわたってしまいますので、住むことはできなくなります。
不動産を売却して抵当権を抹消できます
住宅ローンが残っている場合でも、不動産を売却してそのお金で一括返済することで住宅ローンを完済することができます。
そして、住宅ローンを全て返済することで抵当権を抹消することができます。
例えば以下の場合などは、不動産を売って得たお金の方が住宅ローンの残りの金額よりも高くなる(プラスになる)ケースが多いと思われます。
- 不動産を購入する際、購入費用の大部分を自己資金で支払った場合
- 住宅ローンの大部分を既に返済している場合
- 不動産のある地域の人気が高まり、物件価格が高騰している場合
ちなみに、抵当権がついたままの不動産を第三者が購入することは法的には可能です。
ただ、実際には抵当権がついたままの家を購入する人はなかなかいませんので、売却する時点で抵当権を抹消しておくことが必要になります。
家を売ってもローンが残る場合
不動産を売却しても住宅ローンの残りの金額に足らなかった(マイナスとなった)場合は、すぐに返済することはできません。
例えば以下の場合などは、不動産を売ってもお金が足らずにマイナスとなるケースが多いと思われます。
- 不動産を購入する際、購入費用の大部分を金融機関から借りた場合
- 住宅ローンがまだ多く残っている場合
- 不動産の物件価格が下がっている場合
なお、こちらのケースでは、住宅ローンを一括返済することができませんが、家の住み替えを予定しているのであれば、「買い替えローン」を利用するという方法があります。
買い替えローンでは、いま支払っている住宅ローンの残りの金額を、新規に購入する不動産のローンに上乗せすることができます。
ローンの状況を把握しておきましょう
以上のとおり、住宅ローンが残っている場合でも家を売ることは可能ですし、その売却して得たお金でローンを返済することもできます。
ただ、家を売った金額で住宅ローンを返済できるのか、それともローンが残るのか、この点については早めに把握しておいた方が良いかと思います。
不動産査定は、通常、業者は無料で対応してくれますので、まずはお願いしてみましょう。
また、査定を通じて業者の担当者を信頼できると感じたのであれば、そのまま不動産の売却や住宅ローンのことについても相談されることをオススメします。
家を売るベストなタイミングってあるの?
不動産の売買では、1年のなかで取引が活発になる時期とそうでない時期はありますが、ただ、その時期だけを重視しすぎるのはオススメできません。
例えば、購入希望者が多くなると言われている1月~3月にマンションを売りに出しても、運悪く同じマンション内で数十戸のマンションが同時期に売りに出されてしまうと、価格競争に陥ってしまう恐れがあります。
そうなると、相場よりも安い価格でないと、なかなか買い手がつかないといった状態になってしまうかもしれません。
逆に、もし同じマンションで他に売り物件が出ていないタイミングで、そのマンションの購入希望者が見つかった場合には、相場よりも高い価格で売れる可能性もあります。
戸建て住宅の場合でも、同じ時期に似たような戸建て住宅がたくさん売りに出ている場合は、価格競争に陥ってしまう恐れがあります。
ただ、もちろん購入希望者が多い時期を狙うことで良い面もあります。
例えば、売りたい不動産に対して複数の購入希望者がいれば、その中でより高値をつけてくれる人に売却できるチャンスが生まれます。
家を売るタイミングは、時期を狙うよりも自分自身の事情などを考慮して
家を売る時は、たいてい売主にとっていろいろな事情があります。
例えば、「相続した不動産を現金化したい」といった場合や「家を売って相続税に充てたい」など。
税金の支払いがある場合には、その支払い期限がありますし、通常はいつまでに現金化したいといった希望があるかと思います。
そのため、高値で家を売りやすい時期を狙ったりするよりも、ご自身のタイミングで売却に向けて動く方が失敗を減らすことができるかもしれません。
また、通常、家を売ると決めてから実際に売却が完了するまでには何ヶ月もかかるのが一般的ですので、一番大切なのは、現金が必要な時期を逆算して、売却に向けて冷静に対処していくことが重要といえます。
家を売るためには仲介業者との媒介契約が必要
不動産仲介業者にマンションや戸建ての売却をお願いする場合、正式に仲介の契約を結ぶ必要があります。
この仲介の契約のことを「媒介契約(ばいかいけいやく)」といいます。
そして、媒介契約には3種類のタイプがありますので、契約にあたってはそのうちのどれかを選択する必要があります。
媒介契約の種類
媒介契約の種類は、以下の3つです。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
それぞれの媒介契約のイメージとしては、「専属専任媒介契約」はその名前どおり専属契約を結ぶ感じで、「一般媒介契約」は売主側も不動産会社側も自由度が高いイメージ、そして「専任媒介契約」はその中間といったイメージです。
それぞれの媒介契約の特徴
それぞれの媒介契約の特徴を一覧にすると以下のとおりです。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
① 不動産会社との契約期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 決まりはない |
② 他の不動産会社にも依頼 | できない | できない | できる |
③ 自分で買主を見つけて取引 | できない | できる | できる |
④ 売主への営業報告の義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 決まりはない |
⑤ レインズへの登録義務 | 5日以内 | 7日以内 | 決まりはない |
大きくグループ分けをすると、「一般媒介契約」と、それ以外の「専任媒介契約・専属専任媒介契約」に分けることができます。
やはり、一番の違いは『同時に複数の会社に仲介を依頼することが可能かどうか?』といった点です。
「一般媒介契約」は複数の会社に仲介を依頼できますが、それ以外の「専任媒介契約・専属専任媒介契約」の場合は他の会社に依頼することが禁止されています。
そのため、売却する物件によってオススメの契約方法が異なってきます。
人気物件になりそうなら「一般媒介契約」でも大丈夫
売る予定の家が、例えば人気エリアにあって最寄駅からも近く、建物も築浅といった場合には、販売価格が適正である限り早い段階で購入希望者が現れるはずです。
そのような家であれば、どの不動産会社に依頼しても売却は可能ですし、チラシなどを配布したりする必要もなく、レインズに登録するだけでも十分に売れる可能性があります。
そうなると、複数の不動産会社に仲介を依頼できる「一般媒介契約」で十分ですし、どの媒介契約よりも一番早く売れる可能性があります。
通常は「専任媒介・専属専任媒介」がおすすめ
誰が見てもすぐに売れると思う人気物件の場合は「一般媒介契約」でも問題ありませんが、通常は「専任媒介」や「専属専任媒介」がおすすめです。
特に、建物の築年数が古かったり駅から離れている物件など、売れ残ってしまう可能性がある家の場合は「一般媒介契約」だと難しくなります。
その理由は、「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の場合は、不動産仲介業者がチラシを投函したり人気のサイトに物件を登録したり、しっかり広告費や時間をかけて販売活動を行ってくれるからです。
一方、「一般媒介契約」の場合は、不動産屋が買主を見つけるために費用をかけて買主を探しても、他の会社が買主を見つけてしまうと仲介手数料を受け取ることができず赤字になってしまうため、広告費をかけることができません。
「専属専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の場合は、売主が複数の業者に仲介を依頼することができないため、買主を見つけさえすれば必ず仲介手数料を受け取ることができます。
そのような理由によって、不動産屋はしっかり時間とお金をかけて買主を見つけるための活動を行ってくれるというわけです。
売れ残ってしまう可能性のある物件の場合は、レインズに登録しただけでは売れにくいため、大手の人気の不動産情報サイトに物件を登録したり、近隣にチラシを配るなどの営業が必要です。
そのため、そのような物件の場合は、「専任媒介契約」か「専属専任媒介契約」がオススメです。
一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約、特徴やメリットは?
引っ越しのタイミングは?
家が売れたら、そこには住めなくなりますので引っ越しをしなければなりません。
でも通常は正式に売却が完了するまで早くても3ヶ月はかかりますし、すぐに売れない場合は半年ぐらい時間がかかります。
そのため、いつ引っ越しをしておけばいいのか悩まれると思います。
そこで、家を売る際の引っ越しのタイミングについてご案内します。
住みながら買主を探すことは可能
売却する家に住んでいる場合、引っ越しは「物件の引き渡し」の前までにしておく必要があります。
逆にいえば、家を売ることを決めても物件を引き渡すまでは、そこに住み続けることができます。
ただ、物件の引き渡しの前までといっても、物件の引き渡しの前日のような直前は避けるようにしましょう。
実際には、代金の支払いや物件の引き渡しが可能になった段階で、事前に売主と買主、そして不動産会社の担当者による「物件の最終確認」があります。
この「物件の最終確認」で、境界を確認したり、室内に物が残っていないかなどをチェックします。
そのため、この段階では引っ越しが完了しておくことが望ましいです。
ただし、一般的ではありませんが「引き渡し猶予」という方法を利用すれば、買主から代金を全て受け取った後に引っ越しをすることも可能です。
引渡し猶予とは?
引き渡し猶予とは、契約内容に特約を設けて、買主が代金を支払った後に売主が物件を引き渡す日を設定することです。
本来は、買主から代金の決済があった日に物件の引き渡しを行うことが一般的ですが、この引き渡し猶予では、買主が代金を支払った後に一定の期間を設けて物件を引き渡すことができます。
つまり、代金の決済と物件の引き渡しのあいだに日数を設ける特約が「引渡し猶予」となります。
通常、引き渡し猶予の期間は、数日から1週間ぐらいが一般的です。
引き渡し猶予が活用される背景としては、売主が家を買い替える際に、その新しい家の購入には「買主が支払う売買代金」で支払う場合などです。
ただし、引き渡し猶予といっても契約上は既に所有権は新しい買主に移っていますので、厳密にいうと、「売主は買主の家に居住させてもらっている」という状況です。
買主にとっては、引き渡し猶予はメリットがないため、売主から強引に特約を主張するのは控えておいた方がよいかもしれません。
また、引き渡し猶予期間中に、売主が新居を見つけられない場合や新しい家の住宅ローンの審査に落ちた場合などは、売却した家から出られずに買主に迷惑をかけてしまう恐れがあるため、引き渡し猶予の特約は慎重に検討する必要があります。
家を売却したら引っ越しはいつまでにするの? 期限は決済日の前日まで
信頼できる不動産会社の見分け方
家を売る時にまず大事なのが、きちんとした不動産仲介業者に任せることです。
不動産会社といっても、大規模な開発をメインの仕事にしていたり、賃貸をメインにしている会社など様々です。
マンションや一戸建てを売る場合は、売買をメインの仕事にしている「不動産仲介業者」に任せることをおすすめします。
ただ、駅前などを想像してもらえるとよいのですが、不動産仲介業者といっても数えきれないほど多くの会社があります。
それでは、どういった会社が信頼できるきちんとした会社かというと、ある程度は会社情報などを確認することで一定の水準にあるかどうかをチェックすることが可能です。
免許書番号で会社の歴史が分かる
不動産会社の歴史は、免許書番号を確認すると分かります。
免許の確認というと、なかなか調べることができないようなイメージがありますが、不動産会社の場合はホームページやチラシなどで簡単に確認することができます。
みなさんも何度か目にされたことがあるかと思いますが、不動産会社の免許書番号は以下のような記載になっています。
- 東京都知事(2)第○○○○号
- 国土交通大臣(5)第○○○○号
この免許を見て確認しておきたい箇所は、カッコの中の数字になります。
上の例でいうと、(2)や(5)の部分になります。
このカッコ内の数字にどのような意味があるかというと、更新回数を表しています。
宅地建物取引業を行う不動産会社は、5年ごとに免許を更新することになっているため、数字が大きければ大きいほど歴史のある会社ということになります。
逆に(1)となっている会社は、宅地建物取引業を始めて数年以内の若い会社ということがいえます。
ちなみに、現在は5年に一度の更新ですが、1996年度より前は3年に一度となっていました。
それ以外にも「第○○○○号」という箇所もありますが、この部分は特に気にする必要はありません。
都道府県知事または国土交通大臣の違いについて
また、不動産会社の免許書番号には宅地建物取引業を行う都道府県名が記載されています。
東京都で宅地建物取引業をしている場合は、東京都知事となっています。
なかには、都道府県知事の部分が「国土交通大臣」となっている会社もあります。
なんとなく、知事より大臣の方が偉そうなので格上の免許のように感じるかもしれませんね。
でも、これについては2つ以上の都道府県で宅地建物取引業を行う場合には「国土交通大臣」の免許になるというだけなので、どちらが格上といったものではありません。
カッコ内の数字だけでは分からない部分も
カッコ内の数字は更新回数を表していますが、実は完璧に会社の歴史の長さを表しているわけではありません。
例えば、東京都で20年以上、不動産売買を行っている歴史のある会社であったとしても、神奈川県で宅地建物取引業を行う場合には、新たに「国土交通大臣」の免許をとり直すことになり、カッコ内の数字は最初の(1)にリセットされます。
そのため、歴史の長い会社であっても設立したばかりの若い会社に見えてしまうケースがありますので、会社のホームページなどで「沿革」を確認するのもおすすめです。
免許の更新回数だけを見るのは要注意
以上のとおり、「宅地建物取引業免許」をチェックすれば、更新回数を知ることができます。
宅地建物取引業免許は、5年ごとに更新しなければならず、免許を受けるにはいろいろな規定をクリアしていなければなりません。
明らかに問題のある不動産会社は免許を更新することができなくなるため、そういう意味では更新回数が多いのは信頼の証といえます。
ただ、あくまでも家の売買を依頼する時は、その会社の担当者さんがどういう人かが重要になりますので、更新回数の多さだけを重視しないことが大切です。
更新回数が多いということは、例えば、かなり年配の方が1人で営業している場合もあります。
そうなると組織的な動きは期待できず、さらにその方がパソコン作業も苦手な場合には、売却を任せるのに不安を感じるかもしれません。
そのため、宅地建物取引業の更新回数だけを盲目的に重視せず、会社の信頼度をチェックする一つの要素ということに留めておきましょう。
業者名簿で経営実態や行政処分の有無が分かる
会社の実態を知る方法として、「宅地建物取引業者名簿」を確認するという方法があります。
この業者名簿を閲覧すれば、役員の名前や他にどういった事業をしているかなども分かりますが、特に重要なのは「過去の行政処分の状況」を知ることができる点です。
これから家の売却を依頼しようとしている会社が、以前に問題を起こしたことがあるというウワサを聞いたことがある人は、この業者名簿を見ればその噂が本当かどうかを確認することができます。
宅地建物取引業者名簿を閲覧する方法
「宅地建物取引業者名簿」は、都道府県の担当部署、または国土交通省(地方整備局)で閲覧することが可能です。
宅地建物取引業免許が都道府県知事になっている場合は、その都道府県の担当部署で確認できます。
また、免許が国土交通大臣の場合は、都道府県の担当部署だけでなく、その会社の管轄エリアにある地方整備局(国土交通省の出先機関)でも閲覧が可能です。
加盟団体を確認
その不動産会社が信頼できるかどうかをチェックする方法として、団体にきちんと加盟しているかどうかを確認するという方法もあります。
現在、不動産流通業界には以下の4つの団体があります。
これら4つの何れかの団体に入っているかどうかも信頼性を確認できる要素といえます。
ちなみに、この4つの団体に優劣はありません。
加盟団体は広告や会社のホームページで確認できる
不動産仲介業者がきちんと団体に加盟しているかどうかを確認する方法は、その会社のホームページやチラシなどの広告を見れば分かります。
通常は、目立つ場所や会社概要の箇所、宅地建物取引業免許番号の近くに記載があると思います。
不動産会社の信頼性だけでなく担当者のスキルや人柄も重要
以上が不動産会社の信頼度を簡易的にチェックする方法になりますが、仲介を依頼する場合は、その業者の担当者さんのスキルや人柄なども重要です。
家を売る経験は人生で何度もあることではありませんが、とても大きなお金が動く取引になります。
仲介を任せる場合は、できるだけ多面的に会社と担当者さんをチェックして、本当に信頼できると思える業者と媒介契約を結ぶようにしましょう。
会社の規模で選ぶのは危険
中古の家を売る場合は特に営業マン個人の力量が問われます。
そのため、不動産会社が大手であるか、中小企業であるかといった、会社の規模で契約する会社を選ぶのは危険です。
必ず、担当となる営業マンと話して、その営業マンを信頼できるかどうかで判断するようにしましょう。
大手の不動産会社と地元の不動産屋さん。売却でオススメなのは?
複数の会社に査定を依頼することが大切
信頼できる営業担当者を見つけるために、まずは複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。
そうすることで、会社ごとの営業担当者に査定価格の根拠を聞くことができますので、どの会社の営業担当者が信頼できるか判断することができます。
ただ、複数の業者に査定を依頼するのは大変な作業になりますので、「不動産の一括査定サイト」を利用して一括で査定を依頼した方が便利です。
また、一括査定サイトには、大手から地元に根差した地域密着型の不動産屋さんまで、厳選された会社が登録されていますので、安心して査定をお願いすることができます。
優秀な営業マンの見分け方
営業マンに家を売る相談をして逆に不安を感じる人も多くいます。
それは、営業マンが親身になってくれていないように感じたり、良いことばかり言ってくるため信頼できない、などの理由が原因になっているようです。
一般的に、営業マンは、売買の仲介を成功させることで社内での成績が上がったり、給料がアップしたりします。
また、世の中には大変多くの不動産会社があるため、会社同士・営業マン同士の競争もあります。
そのようなことから、信頼できる営業マンとそうでない営業マンがいる現実があります。
そこで、信頼できる営業マンの見分け方やポイントについてご案内します。
信頼できる営業マンの見分け方
- 社会人としてもビジネススキルは高いか?
- 査定価格の根拠をちゃんと説明できるか?
- 売却に向けた戦略を説明できるか?
- 売り主の気持ちや事情を大切にしてくれるか?
- どこに・どんな広告を出せば効果的か説明できるか?
- 売買の知識や経験は豊富か?
① 社会人としてもビジネススキルは高いか?
家を売る場合、長ければ半年以上、短くても3ヶ月近くは営業マンと打ち合わせをしながら売る手続きを進めていくようになります。
そのため、社会人としてのマナーが身についていない営業マンだと、だんだんとストレスに感じ始めてしまうかもしれません。
また、もし購入希望者が直接その会社に問い合わせをした場合は、その営業マンが購入希望者と話を進めるようになりますので、ビジネスマナーのない営業マンだと購入希望者にも不信感を与えてしまう恐れがあり、上手くいく話しも上手くいかなくなってしまいます。
また、ビジネススキルだけでなく、話しやすい・相談しやすいと感じる営業マンが良いでしょう。
相談しにくいと感じる営業マンだと、そのうち意思の疎通も上手くいかなくなり不信感につながってしまうかもしれません。
② 査定価格の根拠をちゃんと説明できるか?
通常、不動産業者と正式に契約をする前に、家の査定を依頼する流れになります。
この段階では、まだ仲介の契約(媒介契約)を結んでいませんので、しっかり営業マンの知識や経験を確認しましょう。
家をいくらで売れるかは、不動産業者の査定額がベースとなります。
精度の高い査定額を算出するためには、担当者はその地域の相場を把握している必要があり、過去に取引された類似不動産の売買価格も幅広く収集しておかなくてはなりません。
また、最近の不動産の地価の動向や、マンションであればそのマンションの売れ行きなどを把握しておく必要があります。
そのうえで、売却する物件のプラス要因とマイナス要因を精査して、査定価格が算出されます。
そのため、精度の高い査定には、幅広い知識と経験、情報収集能力が求められます。
査定価格について、根拠をしっかり説明してくれて質問にも丁寧に答えてくれる営業マンであれば安心です。
一方、根拠を聞いてもしっかりとした説明ができない営業担当者の場合は、知識や経験が乏しい可能性もあります。
家の査定価格。なぜ不動産会社によってバラバラなの?注意点は?
なお、不動産業者に査定を依頼する場合は、複数の会社に依頼するようにしましょう。
複数の会社に依頼する理由は、一社だけだとその家の査定価格が適正な金額か判断ができませんし、他社の金額と比較することができないため、一社だけの考えを鵜呑みにしてしまうからです。
複数の不動産業者に一括で査定を依頼できるサービスもありますので、まずはこういったサービスを利用されることをお勧めします。
③ 売却に向けた戦略を説明できるか?
家を早く処分したい場合や高い金額で売るためには、スタート段階から戦略が必要です。
そこで、営業担当者には、一戸建てやマンションの売却に向けてどのような戦略があるのか質問してみましょう。
売却に向けてしっかりとしたビジョンがあり、論理的な説明があれば、その担当者は信頼できそうです。
一方で、すぐに説明ができない営業マンの場合は、経験不足が疑われますし、親身になって対応してくれていないのかもしれません。
また、具体的な説明は何もないのに、ただ「必ずこの価格で売ります!」とか「すぐに買い主を見つけます!」といった根拠のない話だけをしてくる営業マンは要注意です。
価格と売れる期間は、実際に売却に向けて動いてみないと分からない部分ですので、根拠もなく最初から自信満々に話してくる担当者の場合は注意しましょう。
④ 売り主の気持ちや事情を大切にしてくれるか?
不動産業者はボランティアではありませんので、もちろん利益の出る仕事をしようとします。
それ自体は悪いことではないのですが、売り主の気持ちや事情を無視して営業マンが勝手にいろいろな話を進めてしまう場合は要注意です。
不動産の売買では昔からよくあったものの最近になって問題視されているのが、「両手取引」という売買です。
両手取引とは?
「両手取引」というのは、簡単にいうと、不動産仲介業者が「売り主」と「買い主」の両方から仲介手数料をもらう仕組みです。
不動産仲介業者は、仲介手数料によって利益を出しているため、「売り主」から仲介手数料を受け取るだけでなく「買い主」からも受け取ることで、仲介手数料が2倍になりますので、売り上げを増やすことができます。
この仕組みがなぜ悪いかというと、他の不動産会社が購入希望者(買主)を見つけた場合は、買主から仲介手数料を受け取ることができないため、他の不動産会社には「もう売れてしまった」などと嘘をついて、自分の会社で買主を見つけようとするのです。
そして、そのことは売主に秘密にされてしまいます。
そうすると、本当ならすぐに買主が見つかっていたのに、知らない間にチャンスを逃してしまい、売主にとっては売れるまでの期間が延びるだけで何もメリットがないのです。
こういったことを完全に防ぐのは難しいのですが、「両手取引はしないで売ってもらえますか?」と事前に伝えることで、営業マンに釘をさすことができますので、抑止力につなげることもできます。
不動産会社が売却物件をレインズに登録してくれたか売主も確認しよう
⑤ どこに・どんな広告を出せば効果的か説明できるか?
家の売却を成功させるためには、効果的に広告を打ち出す必要があります。
インターネット上のサイトに掲載する場合も、一つのサイトに載せるよりも複数のサイトに載せた方が、より多くの人の目につきやすくなります。
また、実際に購入希望者がいそうな地域にチラシやDMを配るという戦略もあります。
不動産業者によって、どのような広告活動をしてくれるかは差がありますので、事前にしっかり確認するようにしましょう。
⑥ 売買の知識や経験は豊富か?
家を売る場合、担当する営業マンの「知識」と「経験」はとても重要です。
不動産売買の知識が豊富なだけでなく、税金関係や住宅ローンなど幅広い知識のある営業マンであれば、とても心強い存在になります。
また、経験が豊富な営業マンであれば、購入希望者の見込み客を知っていたり、効果の高い広告の出し方を知っている場合もあります。
さらに、もしなかなか家が売れない場合には値下げの検討も必要ですが、経験豊富な営業マンであれば、本当に値下げが必要なのか、他にできることはないか、など、これまでの経験から判断してもらうこともできます。
中古の家を早く売るには、不動産会社の営業担当者の知識と経験が重要
売れない家の特徴。売れ残る物件とは?
売れない戸建て住宅やマンションには理由があります。
1年たっても売れ残る物件や問い合わせがほとんどない家には以下のような共通の特徴があります。
- 価格設定が相場より高い
- 立地や交通の利便性に難がある
- 駐車スペースがない
- 特殊な間取り・面積が広すぎたり狭すぎる
- 日当たりが悪い・室内が暗い
- 設備が古い・室内が汚く感じる
- 築年数が古すぎる
- 田舎にある
- 不動産会社が効果的な宣伝をしていない
- 不動産を他の人(第三者)に賃貸している
家が売れない時の原因はそのほとんどが物件の状態や立地、現在の状況などに理由があります。
立地についてはどうしようもない部分ではありますが、それ以外についてはリフォームや工夫次第で売れやすくすることは可能です。
なかなか家が売れない場合は広告の出し方を変えてみるなど、不動産仲介業者の担当者さんに相談してみるとよいでしょう。
高値で売るための注意点
一戸建てやマンションを売る場合、まずは不動産屋に査定を依頼して、その後、業者と媒介契約を結んで購入希望者を探してもらうようになります。
購入を検討している人が見つかると、物件を実際に見学してもらうようになります。
また、場合によっては日にちを決めて「内覧見学会」を開く場合もあります。
家を高く売るなら内覧はとても重要
戸建てやマンションなどの不動産を売る場合、「内覧」はとても重要です。
もし購入を検討している人が内覧をして、思っていたよりも室内が汚れていると感じたり、何だか薄暗いといったイメージを与えてしまうと、せっかくの売れるチャンスを失ってしまいます。
「家を早く処分したい」、「マンションをできるだけ高く売りたい」と思われている場合は、できるだけ内覧時の印象を良くすることが大切です。
印象が悪いと値下げを要求される場合もある
購入を検討している人から不動産自体は気に入られたとしても、室内が思っていたよりも汚れていると感じさせたり、老朽化しているように感じさせてしまうと、値下げを要求される可能性もあります。
もちろん悪気があって値下げを要求する訳でなく、買主としては「もしこの物件を買ったらリフォーム費用がけっこうかかりそうだな」とか「水回りは全部リフォームした方がよさそうだな」と考え、その費用分ほど値下げをしてほしいと考えたりします。
そのため、家を売るには内覧での印象がとても重要になります。
お風呂とトイレの掃除は入念に
室内はできるだけ綺麗にしておくことが大切ですが、特に「お風呂」と「トイレ」は入念に掃除をして綺麗にしておきましょう。
購入を検討している人も、お風呂やトイレなどの水回りはしっかりチェックしますし、この箇所の印象が悪いと不動産全体の印象も悪くしてしまいます。
その家に住んでいる人にとっては、普段と同じだと特に何も気にならなくなってしまう場合もありますが、初めて見る人にとっては、ちょっとした汚れや薄暗さが気になってしまいます。
特に、その家を買うかどうか検討している人にとっては、かなりチェックが厳しくなっていますので注意しましょう。
モデルルームのような雰囲気が理想
売る家に住んだままだと、どうしても荷物が多く、なかなか片づけられない物が多いと思いますが、家具やインテリア以外はできるだけ片づけておいた方が綺麗に見えますし、部屋の中がスッキリして広く感じます。
理想はモデルルームのようなイメージです。
できるだけ物を片付けて、生活感を感じさせない雰囲気にした方がよいでしょう。
ホームステージングで売れやすい家に
最近、流行っているのが「ホームステージング」です。
ホームステージングとは、売る予定の家にお洒落な家具や雑貨、観葉植物などをレンタルして配置し、その居住空間をモデルルームのようにお洒落に演出する手法です。
ホームステージングは、誰も住んでいない空き家の状態にインテリアを配置することもできますし、人が住んでいる状態(在宅)のままホームステージングを行うことも可能です。
「日本ホームステージング協会」の発表によると、ホームステージングをして家を売りに出した場合、何もしない物件と比べて販売までの期間が約3分の1に短縮されたそうです。
お洒落な住まいを演出することで、売れるまでの期間を短縮することも可能ですので、この手法も検討されてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ホームステージングは不動産業者が行っていたり、専門の会社と連携している場合もありますので、査定を依頼した業者に一度相談されてみるとよいでしょう。
ホームステージングのメリットや費用・価格。早く売れる理由とは
ホームインスペクションで信用度アップ
家を売りに出す時は売主さんも不安がいっぱいですが、買主さんも人生で何度も経験しない高い買い物ですので不安がいっぱいです。
その買主さんの不安を解消することが、売主さんにとっては売却を成功させる近道となります。
近年は、ホームインスペクション(建物検査)が主流になりつつあり、これが買主さんの不安を解消する仕組みになっています。
これから家を売る予定のある方は、建物検査(ホームインスペクション)の実施も検討されるとよいでしょう。
売主にもメリットがあるホームインスペクション(住宅診断)とは?
ホームインスペクションとは?
ホームインスペクションは、建物検査や住宅診断、建物状況調査と呼ばれることもあります。
カタカナなので何だか流行りもののように感じるかもしれませんが、実際には国が推奨しているものになります。
平成25年に国土交通省がガイドラインを出し、その後、2018年には宅地建物取引業法が改正され、売買契約を行う際には「ホームインスペクション」という診断方法があることを不動産会社が告知しなければいけなくなりました。
具体的に何をするの?
ホームインスペクションとは、「第三者の住宅診断士が客観的かつ公平に建物の検査」を行うものです。
「建物に何か不具合はないか?」「建物の内部に欠陥がないか?」など、建物に問題がないかをチェックするものになります。
ちなみに、住宅診断士のことをホームインスペクターと呼んだりもします。
なぜ話題なの?
ホームインスペクションが年々重視されるようになってきているのには理由があります。
それは、ホームインスペクションの重要な点になりますが、買主側にも売主側にも、そして仲介業者側にも、どこにも忖度せずに公平かつ客観的な診断をしてくれるということです。
つまり、誰かの都合の良いように診断結果を出すことがないため、公平に建物を診断するということです。
ホームインスペクションの実施率
一般社団法人不動産流通経営協会が発表した「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」によると、2018年4月から2019年3月末までの1年間でホームインスペクションが実施された割合は20%となっています。
この割合は、中古マンションと中古の一戸建てを合わせた数字です。
それぞれの割合は以下のとおりです。
中古マンションと中古の一戸建ての実施率
物件 | 割合 |
---|---|
中古一戸建て | 34.4% |
中古マンション | 14.3% |
出典:一般社団法人不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」
この数字を見て分かるとおり、ホームインスペクションは「マンション」よりも「一戸建て」の方が多く実施されています。
「一戸建て」の方が家の欠陥について不安になりやすいということかもしれません。
実施率は増加傾向
重要な点として、ホームインスペクションは、前年度と比べると実施される割合が増加しています。
ホームインスペクションの増加の変化
2018年度と2019年度の比較は以下のとおりです。
- 中古戸建て住宅: 19.2% ⇒ 34.4%(15.2%増加)
- 中古マンション: 10.4% ⇒ 14.3%(3.9%増加)
このとおり、わずか1年だけでもホームインスペクションが大きく増加しています。
買主が売主にホームインスペクションを依頼するケースが増加
さらに最近の特徴として、買主が売主にホームインスペクションを依頼するケースが増加しています。
「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」によると、2018年度は、買主が売主に依頼するケースは2.6%でしたが、20119年度には6.6%に増加しています。
どちらが費用を負担するの?
ホームインスペクションの費用の負担は、「買主が負担する場合」と「売り主が負担する場合」のどちらもあります。
そのため、購入希望者がホームインスペクションを希望していると不動産会社から告げられた場合には、どちらがその費用を負担するか不動産会社の担当者さんに相談してみるとよいでしょう。
どこで依頼すればいいの?
普段の生活でホームインスペクションを依頼することはまずありませんので、どうやって依頼すればいいか不安になる方も多いかと思います。
売主さん自身でホームインスペクションをしている会社に依頼することも可能ですが、不動産会社がそういった会社と連携している場合も多いので、まずは売買の仲介を依頼している不動産会社の担当者さんに相談されるとよいでしょう。
ホームインスペクションをするメリット
最近はホームインスペクションが注目されていて、買主さんが希望されるケースも増えています。
売主さん側からすると、一見ただ手間が増えるような気がしてメリットがないように感じがちですが、実は売主さんにとってもメリットがあります。
メリット①
買主さんは建物に何か欠陥がないか不安になりがちです。
そのため、ホームインスペクションを実施することで何も隠しごとはないということを表明できますし、買主さんの不安も解消できます。
その結果、家を早く売ることが可能になったり、場合によっては高値での売却も実現できるというわけです。
物件の信頼性を高めるためにもメリットがあります。
メリット②
もうひとつのメリットとして、建物を引き渡した後になって買主さんからクレームを言われるリスクを減らすことができます。
建物の欠陥は売主さん自身も気付かないことが多々あります。
そのため隠しごとをしていた訳ではないのに、建物を引き渡した後になって欠陥が判明してしまうと、買主さんから欠陥があることを黙っていたとクレームをつけられるリスクがあります。
そういった場合でも事前にホームインスペクションをしておけば、売主さん自身も建物の状況を把握することができますので、売主さんと買主さんの双方にとってメリットがあるといえます。
いまは中古物件を探している人が大勢います
実はいま中古住宅の人気が高まってきています。
新築よりもお手頃な価格というメリットのほかにも様々な利点が注目されており、いまは中古が新築の物件に勝てる時代になっています。
実際に、新築物件ではなく中古物件を選んだ購入者の本音を紹介したいと思います。
中古住宅を選択した理由は何?
一般社団法人不動産流通経営協会が発表した「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」によると、以下のような結果となっています。
中古の物件を購入した理由
理由 | 割合 ※複数回答 |
---|---|
希望エリアの物件だったから | 68.9% |
手頃な価格だったから | 59.7% |
良質な物件だったから | 43.7% |
新築にはこだわらなかったから | 31.5% |
早く入居できるから | 19.4% |
リフォームするつもりだったから | 16.0% |
いずれまた住み替えをするから | 6.3% |
多くの既存物件から選ぶことができたから | 10.2% |
いずれ建替えようと思っているから | 2.7% |
出典:一般社団法人不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」
上の表を見てみると、一番の理由が「希望エリアの物件だったから」で、次が「手頃な価格だったから」となっています。
つまり、購入希望者が望んでいるエリアに手頃な価格の物件があれば、中古の家でも新築物件の魅力に勝る場合があるということです。
そして、実際に「新築にはこだわらなかったから」という回答が30%以上もあることから、中古住宅に対してネガティブな印象は少ないといえます。
この理由のひとつとして、建物の耐震性に対する不安が減ってきたこともあるかと思います。
耐震性については、1981年に建築基準法が改正され、その際に新耐震基準となりました。
この1981年の前か後かで建物の耐震性が異なるのですが、現在ではよほど古い建物(1981年より前)でない限り新耐震基準で建てられています。
そういったこともあり、現在では建物の構造に対する不安が和らぎ、逆に「価格のお手ごろ感」を重視し中古の家を選ぶ人も増えてきているようです。
不動産仲介業者に査定を依頼してみよう
マンションや一戸建てを売る場合、まずは査定を依頼することから始まります。
まだ不動産業者に問い合わせをされていない場合や、査定を依頼したものの不動産業者の対応がしっくりこなかった場合は、「不動産の一括査定サイト」を利用されるとよいでしょう。
一括査定サイトは、無料で利用できる人気のサービスで、多くの方が既に活用しています。
どのようなものかというと、簡単な入力をするだけで、一度に複数の不動産業者に一括で査定を依頼できるサービスです。
家を売るなら不動産業者選びはとても重要です。
そのため、このようなサービスを利用し複数の不動産業者を比較して、本当に信頼できる会社に売却を依頼するようにしましょう。
査定方法には、「机上査定」と呼ばれるものと「訪問査定」の2種類があります。
より精度の高い査定額を希望される場合は「訪問査定」をしてもらうことで、マンションや一戸建ての現況を考慮した金額を算出してもらえます。
なお、査定を依頼したからといって、必ずその会社と契約しないといけないわけではありません。
ご自身で納得されたうえで媒介契約をすれば大丈夫ですので、気軽に活用されてみてはいかがでしょうか。
家を売るなら、無料の一括査定サイトがおすすめです。
「不動産の売却を検討されている方」や「家の査定価格が気になる方」には、一括査定サイトがオススメです。
一括査定サイトでは、一度の入力で複数の不動産会社に一括で査定を依頼できますので、大変便利です。
私がお勧めする一括査定サイトは「リビンマッチ」です。