ウチラボ編集長

マンションの売却方法は仲介(媒介契約)と買取の2つ！その違いを徹底解説

2020年06月06日

売却・査定のポイント

マンションを売却する際は、不動産会社に仲介を依頼することが一般的です。
しかし仲介以外にも、買取りという選択時があります。

この記事では、仲介と買取りの違いを解説していきます。

マンションの仲介を依頼する（媒介契約）

マンションの売却で不動産会社に仲介を依頼すれば、一般のお客様から購入希望者を探してもらえます。
正式に仲介を依頼する際は「媒介契約」を結びます。

また媒介契約の種類によっては、自ら買主を見つけて売買契約をすることもできます。

媒介契約の種類

一般媒介契約
専任媒介契約
専属専任売却契約

買主を自ら見つけることができる契約は「一般媒介契約」と「専任媒介契約」の二つです。

もし購入希望者が知り合いでいる場合は「専属専任媒介契約」を結んではいけません。

そして媒介契約を結べば、不動産会社は購入希望者を探してくれることになります。

探す方法は、インターネットの情報サイトや、チラシ、新聞折り込みなどの媒体を使います。

また、買主を探すことだけが仕事ではありません。

売主と買主の間に入って、契約条件の交渉やスケジュール調整、契約手続きまで行います。

中古マンションの取引は非常に専門的な知識が必要です。
仲介を依頼することで、安心安全な取引が可能になります。

仲介の流れ

売却依頼
査定依頼
媒介契約
売却活動
契約条件の交渉
売買契約

マンションの「買取り」を依頼する場合

不動産会社に買取りの依頼すれば、購入者は一般のお客様ではなく不動産会社になります。
先に買取りの流れを説明します。

買取りの流れ

売却依頼
査定・売却価格の提示
契約条件の交渉
売買契約

「買取」をおすすめする人

売却を急いでいる人

「買取り」は仲介と比べて、売却依頼から売買契約までの期間が短くなります。
特に売却期間に影響する売却活動がないことがメリットです。

売却を急いでいる時は「買取り」がお勧めです。

住み替えでは、売却価格で住宅ローンを完済できず自己資産もない場合「買い替えローン」を利用することがあります。

条件として売却と購入を同時にする必要があります。
このような場合、売却にあまり時間がかけられない為、買取りも検討することが望ましいです。

良い方法としては市場で売却する期間を決め、期限になれば買取りをしてもうらう契約を結ぶことです。

契約後のトラブルをゼロにしたい人

仲介では一般のお客様が購入しますが、買取りでは不動産会社が購入します。
大きな違いは「契約不適合責任」の有無です。

契約不適合責任とは、売買契約後に知らない瑕疵が発覚した場合、賠償請求や契約の解除ができる法律です。
これは一般の消費者には適用されますが、プロの不動産会社には適用されません。

マンションの売却では、売買契約後のトラブルは珍しくありません。
買取りでは、不動産会社が自ら細かく調査をするので後からクレームの心配はありません。

また、契約前に住宅の不具合がある場合にも買取りはお勧めです。
不動産会社は、マンションであればリフォームやリノベーションすることを前提で買取りをします。

なお、一戸建ての場合は、建物を解体して新築を建てる場合もあります。
一般のお客様であれば、気になっているところは値下げ交渉などで応じますが、不動産会社の場合、あまり価格に変動はありません。

マンションの内見が面倒な人

仲介では、売却の際に内見をすることが必須です。
内見の為に、部屋の掃除を念入りにして、質問に対してもきちんと答えていく必要があります。

思う以上に準備が必要です。
買取りであれば、そのような苦労の必要はありません。

現地確認はしっかりやりますが、お部屋の状況はほとんど気にしないからです。

マンションの売却を近所に知られたくない人

仲介では、売却を依頼されれば色々な媒体を使って宣伝します。
もし、売却をあまり周囲に知られたくない場合は、買取りをお勧めします。

スケジュールどおりに進めたい人

また、仲介では売主・買主双方のスケジュールを合わせる必要がありますが、買取りでは、できるだけ売主のスケジュールに合わせてくれることが多いです。

買取サービスをオススメしない人

高く売却したい人

買取りのデメリットは、売却価格が低くなることです。

不動産会社は、買取り後に建設やリノベーションをして再度売り出すことを目的とします。

その為、市場価格よりどうしても下がってしまいます。
だいたい市場価格の70％が目安です。

もし人気のエリアであれば、価格も上がってきます。

【おさらい】もっと具体的にご案内

不動産を高く売るなら、買取ではなく仲介（媒介契約）で売却しよう

マンションの売却では、売主側の事情で「いますぐにでも現金が必要な場合」と「現金は数ヶ月先でも問題ない場合」があります。

また、「すぐに現金化できるなら、少しぐらい売却価格が下がってもいい」と考える方もいます。

もし、すぐに現金が必要で、売却価格は低くても大丈夫という方は、不動産の買取業者に買い取ってもらうことをお勧めします。

一方、売却は数ヶ月先になっても大丈夫だから、高い金額で売りたいという方には、「仲介」での売却をお勧めします。

不動産を買取業者に買い取ってもらう場合

不動産に買取業者に買い取ってもらう場合のメリットとデメリットは、以下のとおりです。

買取のメリット

買取専門の業者に不動産を買い取ってもらう場合は、とても早い段階ですぐに現金化が可能です。

仲介で売る場合には買い主を探すところからスタートとなりますが、買取業者の場合は、買取業者の担当者と売買契約を結んだ段階で売却が成立します。

売却が成立すれば、あとは銀行口座に現金が振り込まれるのを待つだけとなります。

この点が買取業者に買い取ってもらう最大のメリットとなります。

また、通常の不動産の売買では、売却後に建物の欠陥が見つかった場合、「瑕疵担保責任（かしたんぽせきにん）」という法律によって、その欠陥は売主の責任となってしまうため、売却前には欠陥がないか慎重にチェックしなければなりません。

一方、買取業者に買い取ってもらった場合は、この「瑕疵担保責任」が免責されている場合が多いため、後から面倒なトラブルに発展したりということはなくなります。

買取のデメリット

買取業者に買い取ってもらう場合の最大のデメリットは、売却価格がかなり安くなる点です。

どれぐらい安くなるかというと、普通に売却した場合と比べて約30％は安くなると考えておいた方がよいでしょう。

イメージとしては、通常は1000万円で売却が可能な物件の場合でも、買取業者を利用した場合は300万円ほど低くなって、700万円で買い取ってもらう感じです。

確かに、買取業者を利用した場合は「仲介手数料」がかかりませんので、その点はメリットのように感じます。

ただ実際には、1000万円の不動産の売却を仲介してもらっても「仲介手数料」は約39万円しかかかりませんので、一般的に買取業者を利用した場合の方が金額が低くなってしまいます。

次に、不動産仲介業者に仲介（媒介契約）してもらった場合のメリットとデメリットをご説明します。

仲介業者に仲介してもらう場合

仲介（媒介契約）のメリット

仲介業者に仲介してもらった場合の最大のメリットは、買取業者を利用するよりも高い金額で売却することができる点です。

仲介は、簡単に言うと買主を探してもらう仕組みですので、通常は不動産の相場どおりで売却が成立します。

また、買主が見つかるまでその不動産に住んでおくことも可能です。

いますぐに売却する必要がなく、しっかり高い金額で売却したい場合には、仲介（媒介契約）を利用しましょう。

仲介（媒介契約）のデメリット

仲介のデメリットは、買取業者に買い取ってもらう場合と比べて、売却までの時間がかかることです。

一般的に仲介で売却を進める場合には、売買が完了するまでに3ヶ月～6ヶ月ぐらいかかります。

もうひとつのデメリットは、仲介手数料がかかるという点です。

ただし、この仲介手数料の金額は、買取業者を利用した場合の値下げ分よりは低い金額になりますので、それほどデメリットとはいえません。

まずは査定価格を知ることから

不動産の売却では、まず査定価格を把握することからがスタートとなります。

不動産業者にひとつひとつ電話をしていくのは大変な労力になりますので、スムーズに複数の業者から査定を受けるために「不動産の一括査定サイト」を利用すると良いでしょう。

この「不動産の一括査定サイト」のサービスは、無料で利用できますし業者も厳選されていますので、初めてマンションを売却するという方には特にオススメします。

売却期間に余裕があって、高く売却したいなら「仲介（媒介契約）」がおすすめ

マンションを少しでも高く売却したい場合は、市場で売却した方が良いです。

市場での売却では、購入者の希望条件にぴったりの場合、査定価格よりも高く売却できることは珍しくありません。

仲介で売却するメリットは「高い価格で売却できる可能性がある」ということです。

もし、価格にこだわりがなければ買取りで良いと思いますが、中々そういう方はいないと思います。

買取と媒介契約のそれぞれのメリットやデメリットを考慮して、ご自身の希望に合った売却方法を選ばれるとよいでしょう。