新築ではなく中古住宅が選ばれる条件とは?実際の購入者の本音
一戸建てやマンションの売却を検討されている方は、できるだけ早く・できるだけ高く売りたいと考えられているかと思います。
それを実現するためにも、購入者側の気持ちを知ることで見えてくるものもあるかと思います。
実はいま中古住宅でも新築の物件に勝てる時代になっています。
実際に新築物件ではなく中古住宅を選んだ購入者の本音を紹介したいと思います。
目次
中古住宅を選択した理由は何?
一般社団法人不動産流通経営協会が発表した「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」によると、以下のような結果となっています。
中古の物件を購入した理由
理由 | 割合 ※複数回答 |
---|---|
希望エリアの物件だったから | 68.9% |
手頃な価格だったから | 59.7% |
良質な物件だったから | 43.7% |
新築にはこだわらなかったから | 31.5% |
早く入居できるから | 19.4% |
リフォームするつもりだったから | 16.0% |
いずれまた住み替えをするから | 6.3% |
多くの既存物件から選ぶことができたから | 10.2% |
いずれ建替えようと思っているから | 2.7% |
出典:一般社団法人不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」
中古物件を購入した理由を見てみると、一番の理由が「希望エリアの物件だったから」で、次が「手頃な価格だったから」となっています。
つまり、購入希望者が望んでいるエリアに手頃な価格の物件があれば、中古住宅は新築物件の魅力に勝る場合があるといえます。
実際に、「新築にはこだわらなかったから」という回答が31.5%もあることから、中古住宅に対してネガティブな印象は少ないといえます。
同じエリアで売り物件が少ないタイミングがチャンス
希望エリアの範囲は、たいていは駅を中心に考えたり、都心部への距離感などで決まっていきます。
また、子どものいる家庭や新婚の夫婦が住宅を購入する場合は、小学校などの校区も希望エリアとして範囲が限定される場合があります。
そのエリアのなかで中古住宅を早く売却するためには、やはりライバルが少ないタイミングで売りに出した方がおすすめです。
同じような物件が同じエリアで同時に売りに出されていた場合は、どうしても価格を比較されてしまいますので、高めに設定していると売れにくくなったり、価格競争が発生する場合があります。
築10年を超える物件もチャンスがある
一般的に住宅の内装や外観などは5年~10年で流行が変わっていきます。
また、築5年以内の物件であれば、ハウスクリーニングをしっかりやれば新築物件と大差がない場合もありますし、築5年~10年の物件であれば、少し簡単なリフォームをするだけで十分な場合が多くあります。
そういったこともあり、築10年以内の住宅は価格の下落が少なく高値で売れやすい傾向にあります。
具体的には、新築の80%~90%の価格で売却が可能になります。
これは売主側にとってみれば嬉しいことですが、逆に買主側からすると、お手頃感はない物件ということになります。
「新しさ」と「価格」、どちらを重視するかで異なる
購入希望者が「物件の新しさ」を重視する場合は、築10年以内の物件を探す場合が多くなります。
一方で、「価格のお手ごろ感」を重視する場合は、築10年以上の物件を探す場合が多くなります。
そのため、築10年を超えているからといって売却に時間がかかるということはありません。
タイミング次第ではありますが、売りに出した時にお手頃な価格の物件を探している購入希望者がいれば早い期間で売却を成功させることも可能です。
実際に上の表のとおり、中古住宅を購入した理由として「手頃な価格だったから」という要因が59.7%もありますので。
リフォーム前提で中古住宅を購入する人も多い
上の表(不動産流通業に関する消費者動向調査)によると、中古住宅を購入理由として「リフォームするつもりだったから」を選んでいる割合が16%もあります。
また、「いずれ建替えようと思っているから」という割合も2.7%になっています。
このことから分かるのが、中古住宅の場合は、古いからといって選択肢から外れるわけではないということです。
お手頃な価格で中古住宅を買ってリフォームする人も多いのです。
新築を購入した人の気持ちの変化
新築を購入した人へ「中古住宅を選ばなかった理由」を尋ねた調査結果として、近年、特徴的なことがあります。
それは、「耐久性や品質に不安があるから」という理由と「耐震性に不安があるから」という理由を選んだ人の割合が減少傾向にあるということです。
この結果にはいろいろな理由が考えられますが、特徴的な変化といえます。
まとめ
近年では、新築を探しながら中古物件も視野に入れて物件探しをする人も多くなっています。
中古住宅でも魅力的な物件が増えていることや、景気、価値観の多様化などが影響していると思いますが、今後も中古住宅市場は注目されていくでしょう。
これからマンションや一戸建てを売りに出そうと検討されている方の参考になれば幸いです。
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