家を売る前のリノベーションやリフォームは慎重に。売れにくくなる場合も
マンションも一戸建ても築年数が30年以上になると古さが際立ってきます。
以前までは、古い家を売却する際には水回りなどをリフォームして売り出すことが多かったのですが、変にリフォームしても新しくなった箇所と古い箇所が混在するだけで、お洒落とは程遠い物件でした。
小規模なリフォームでは水回りを最新の設備に置き換えるなど、生活の不自由さを減らすような感覚ですが、ライフスタイルそのものに価値が見出されている現在では、より大規模な「リノベーション」も重視されるようになりました。
目次
リフォームとリノベーションの違い
まずは「リフォーム」と「リノベーション」の違いになりますが、一言でいうと「修繕する規模の違い」といえます。
リフォームというと、例えば「キッチンが古いので最新のシステムキッチンにする」とか「小さいお風呂を足が伸ばせるお風呂に変更する」「床を張り替える」といったものになります。
一方で、リノベーションでは、より大規模に間取りまで変えることも多くなります。
古い家の間取りのままだと小さい部屋がいくつもあるといった場合も多いのですが、そういった場合には壁を取り壊して部屋をひとつにするといったことも行われます。
また、一方で土間があるような古い家の場合に、あえてコンクリートを塗りなおして、当時の状況を残しつつ新しい価値を生み出すということも行われます。
簡単にまとめると、「リフォームは最新の設備などに付け変えて新築のような状態にすること」といえ、「リノベーションは、間取りまでも変更して新しい価値を生み出すこと」といえます。
いまはリノベーション物件も人気
いまは賃貸でも売買でもリノベーション物件は人気です。
今風のお洒落な内装や床材が使用されていたり、収納スペースもしっかり作られていたり、最新の設備も整っていたりするので、お洒落な空間を楽しみたい人は最初からリノベーション物件に絞って物件探しをする場合もあるほどです。
また、リノベーション物件は内装も綺麗で古さを感じさせませんが、建物自体の築年数は古いので、周辺の物件と比べてお値打ち感があるというのも人気の理由のひとつです。
古い家を売りに出す際、家族や夫婦で話し合うことも多いと思いますが、リフォームやリノベーションをするかどうかについては必ず不動産会社の担当者さんと相談することをおすすめします。
なぜ慎重に決めないといけないのか
売主さん側からすると、リフォームやリノベーションをしてから売りに出した方が売れやすいと感じられるかもしれませんが、実際はそうとは限りません。
どういうことかというと、中古物件を探している購入希望者さんは、安く買って自分たちで好きなようにリフォームしたいと考えている場合も多いのです。
そのため、売主さん側がお金を払ってリフォームやリノベーションをしても、購入希望者さんがそのデザインを気に入らない場合も多く、逆に売れにくくなるケースがあります。
そして、リフォームなどの費用はけっこう高いため、どうしてもリフォーム費用を売却価格に上乗せするようになってしまいます。
そうすると、売り希望価格が高くなってしまうため、さらに売れにくくなってしまう可能性があります。
建物を取り壊した方が早く売れる場合も
売却予定の建物が古い場合、リノベーションをするよりも新しく建物を建てた方が良い場合もあります。
その場合は、更地として売った方が売れやすくなりますので、そういう可能性を考えてもリフォームやリノベーションをしてから売るという判断は慎重に行う必要があります。
不動産会社の担当者さんと相談して決めよう
以上のような理由から、リフォームやリノベーションをしてから売った方が良いかなと感じても、事前に不動産会社の担当者さんと相談した方が安全です。
不動産会社の担当者さんであれば、リフォームやリノベーションをした方が良いのか、それとも何もしないで売りに出した方がよいのか、多面的に検討したうえで適切なアドバイスをしてもらえるでしょう。
そのため家を売る際には、まずは不動産会社の担当者さんに相談されることをおすすめします。
リフォームやリノベーションは費用と売値のバランスも重要
最近はリノベーションという言葉が一般的になってきて、古くなった一戸建ての家やマンションをリノベーションする人も増えてきました。
リノベーション物件はデザイン性の高いものが多いため、賃貸でも大変人気です。
そのため、自分の一戸建ての家やマンションを売却する際にも、「築年数がかなり経っていて見た目が古いのでリノベーションした方が高く売れるのではないか。」と考えられる方も多くいらっしゃいます。
確かに、ただ老朽化が目立つ物件より、リノベーションされたデザイナーズ物件の方が人気が高いのも事実ですが、必ずリノベーションした方が良いとは言い切れませんので注意が必要です。
【おさらい】リフォームとリノベーションの違い
リフォーム
リフォームとは、老朽化した建物を新しい状態に戻すことをいいます。
古い設備を新しくしたり、最近流行りの壁紙などに変えたり、と、キレイな状態にしたり、最新の設備に変える場合などに「リフォーム」という言葉が使われます。
リノベーション
一方、リノベーションとは、古くなった建物に大規模な工事を行って新しい価値を生み出すことをいいます。
例えば、間取り自体から作り変えて、よりデザイン性の高い建物にしたり、あえて古い部分を残しながら無垢の木材を利用してデザイナーズ物件のようにしたり、と、大規模な工事を行って新しい価値を生み出す場合などに「リノベーション」という言葉が使われます。
リノベーションにかけた金額を回収できるとは限らない
もちろん老朽化したままの家よりもリノベーションした建物の方が見た目もキレイでお洒落なので、気に入る人も多いのですが、そのリノベーションにかかった費用を上乗せして売却できるとは限りません。
不動産を買いたいと思っている人は、もちろん予算がありますので、このエリアでこれぐらいの広さなら、これぐらいの金額が上限かな、と考えているものです。
そのため、付近の相場よりも大きく離れた金額で売り出すと買い手がなかなか見つからなくなるため、リノベーションにかかった費用を回収できない場合もあります。
また、リノベーション物件を探している人がいたとしても、センスは人それぞれですので、このリノベーション物件は好きじゃないと思われる可能性もあります。
そういった場合には、必要最低限のリフォームだけ行って売りに出した方が、売却価格も低く抑えることができますので、買い手にとっても安く手に入れることができ、早く買い手が見つかる場合もあります。
戸建て住宅の場合は、取り壊しが前提の買い手もいる
不動産の買い手は、個人に限らず宅地分譲を行っている不動産会社の場合もあります。
そういった不動産会社が、あなたが売ろうと考えている建物を見て、「これなら取り壊して更地にした方が売りやすい」と考える可能性もあります。
その場合には、変にリノベーションして売却金額が高くなってしまった物件だと、「この金額だと高すぎて利益を出せない」と考えて、購入を断念する場合もあり得ます。
リノベーションして売るかどうかは慎重に
以上のように、最近はリノベーション物件の人気が高まっていますが、リノベーションしたからといって、必ず、その分ほど高く売却できるとは言えませんので、慎重に考える必要があります。
もちろん、水漏れや雨漏りなどの必要最低限の補修は行っておいた方が良いですが、まずは不動産仲介業者の担当者としっかり相談されることをオススメします。
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