ウチラボ 編集長

住宅ローンが残っている時は住み替えローン。買い替え特約も重要

住み替えに関するポイント

住み替えを考える時に一番気になる事は、残った住宅ローンについてだと思います。
「住宅ローンを完済していないのに、新たに住宅ローンが組めるのか。」

私も、よく聞かれる質問です。その度に私は「住宅ローンを完済していない人が住み替えることの方が多いですよ。」と言います。

今回は、住み替えに関する住宅ローンと、住宅ローンを返済して行くためのポイントを説明していきます。
今、住み替えを検討されている方がいらっしゃいましたら、こちらのサイトをご参考にしてください。

住宅ローンがまだ残っているのに、住み替えができるのか

冒頭で述べましたが、住宅ローンの残債を完済していない状態で、住み替えを実現される方は多数いらっしゃいます。

しかしご注意頂きたいのは、抵当権が設定されている状態では、売却ができないことです。
抵当権とは、住宅ローンを組む時に、金融機関が土地や建物に設定する権利、「担保」です。

ただし、抵当権が設定されていても、相続はできます。

当然、住宅ローンも引き継ぐことになります。多額のローンが残っている場合には、相続の放棄もご検討ください。もし、お金を借りている人が亡くなられた場合「団体信用生命保険」に加入されていれば、住宅ローンは保険金で支払われます。

その場合でも、抵当権の抹消手続きは必要です。
抵当権を抹消していなければ、今後売却をする時の支障になりますので、ご注意ください。

話を戻しますが、銀行は、住宅ローンを組む条件として、住宅ローンの契約締結日に抵当権の設定を求めます。
住宅ローンが完済されれば、抵当権の抹消を行います。

もし、住宅ローンの支払いが出来なくなれば、契約した土地建物が差し押さえられ、競売にかけられます。
支払いが滞れば、すぐに差し押さえられという訳ではありません。

滞る期間が長くなれば、督促状が届きますので、その時は必ず支払うようにしてください。
また、抵当権を設定する時には登録免許税や司法書士への報酬が必要です。

登録免許税は、原則床面積に0.4%の税率を掛けた額です。
床面積によって軽減措置がありますので、物件選びはその辺りも考慮ください。

ただし、税率や控除の内容はよく変わります。
以前受けた控除が今もあるとは、考えないでください。

税については、必ず売却や購入時に最新の情報を仕入れるようにしてください。
司法書士への報酬は、大体10万から12万円と考えておいてください。

住宅ローンが残っている時は、住み替えローンを利用する

売却した資金で住宅ローンを完済できれば、一番問題ありません。
売却額でも住宅ローンを完済できない場合は、預貯金で支払うことが出来ます。

では、預貯金がなかった場合です。
その場合は「住み替えローン」を利用します。

これは、残っている住宅ローンを、購入する物件の住宅ローンに上乗せして借りる方法です。
当然、住宅ローンの毎月の支払いが上がります。

今後の生活に支障が出ないか、より資金計画を建てることが大事になってきます。
資金計画を立てる時は、完済できる時の年齢を特に気をつけてください。

毎月の支払いに問題がなくても、定年後も支払い続ける計画は注意です。
また、売却する物件の査定額が、住宅ローンを残債できる金額だからと、安心しないでください。

査定額は、絶対にその金額で売れるとは確定していません。
もし高い査定額を受けて、さらに買い先行の場合には注意が必要です。

買い先行の場合は、必ず複数の不動産会社に依頼して、適正な査定額を知ることお勧めします。
全く売れずに、値下げしようにも出来ない状態になるとかなり厳しいです。

これが、売り先行の場合は問題ありません。
売り先行では、売却額を確定できるためです。

住み替えローンの注意点

住み替えローンの注意点は、新居の価値以上の住宅ローンを抱えてしまうことです。
その場合、物件を売却しただけでは、住宅ローンの完済が難しくなります。

また、住み替えローンは銀行のリスクも高くなる為、より年齢や年収などの基準が上がります。

次に、売却した資金と住み替えローンを利用して住宅ローンの完済をする以上「住み替えローンの融資」と「家を売却した資金が得られる日」が一緒でなければなりません。

ですが、物件を売却できなければ、住み替えローンを借りることが出来ません。
その時に活用できるのが「買い替え特約」です。

これは「期限内に物件の売却ができなければ、購入の契約を白紙に出来る」というものです。
ペナルティがないため、買い手にっとては、非常に魅力的な特約です。

その為、特に個人の売主には嫌がられやすく、交渉では足元を見られやすいです。

実際のお客様の住み替え例

家の売却損が900万円!残債が多くても住み替えが可能な方法とは?

売却損「900万円」で、住み替えは大丈夫なんですか?

お客様から、実際に不安の声が上がったお話です。

住み替えのご相談

住み替えのご相談を頂く中、お客様が一番不安になられるのが、売却損がでるケースです。
あるお客様の場合、査定額が住宅ローンを下回り、売却損「900万円」という結果になりました。

お客様は、新築マンションを6年前に購入したばかりでしたので、非常にショックを受けられていました。
査定結果を報告した日は帰られましたが、半月後に再度ご来店がありました。

この半月の間、お客様は他の不動産会社にも査定を依頼したそうです。
「マンション一括査定」を利用され、複数の不動産会社から査定報告がありましたが、弊社で出した査定額はちょうど平均だったそうです。

「では、査定額の一番高い不動産会社に依頼されるのですか?」と質問すると「査定の内容が一番納得できる説明でしたので、こちらに依頼したいです。」との事でした。

正直、嬉しかったです。
査定額については、同じマンションの別部屋が既に売りに出ていました。

また、近隣のマンションとも比較した結果、これ以上の額は出せないというのが、私の考えでした。
これ以上高い査定額を出している不動産会社は「媒介契約」を取る為に、意図して高い査定額を出していただけだと思います。

それから、お客様から正式に住み替えのご依頼を頂きました。

お客さまの状況と希望

  • 夫婦(旦那様:36歳)+子供2人
  • 新築マンションを6年前に購入
  • 3LDK
  • 残債:2700万円
  • 年収およそ900万円
  • 中古一戸建ての購入を希望

住み替えの理由

お客様の住み替え理由は、今のマンションでは手狭になると思われたからです。
子供は1人と考えられていた為、その時はマンションの3LDKで十分とのお考えでしたが、昨年、2人目の子供が産まれたそうです。

新築マンションを購入したばかりで、お客様も長い間悩まれた様です。
それから2年が経ち、お客様は住み替えを決意され、弊社にご来店されたのが今のお話です。

資金計画

まずは資金計画です。
これが固まらなければ、活動はできません。

  • ①マンションの査定結果「1800万円」
  • ②住宅ローンの残債「2700万円」
  • ①−② 売却損「900万円」
  • 購入物件の価格帯設定「2800万円」
  • 諸経費概算「250万円」
  • 自己資金「200万円」

まず、首都圏で暮らす一般的な4人家族の場合、年収の平均は「880万円」と言われています。
お客様の年収は850万円のため、およそ平均と同額です。

他にも、個人信用情報に問題ないことや、他に借り入れが無いことも確認済みです。

売却損は「900万円」出ますが、住み替えローンを利用すれば問題ありません。

購入物件の価格帯は、希望エリアの中古一戸建ての相場から「2800」万円で設定しました。

計算すると、
物件購入価格「2800万円」
売却損「900万円」
諸経費概算「250」万円、
そして自己資金「200万円」を差し引き、
計「3750万円」で住み替えローンを組む計画です。

「3750万円(金利2%、ボーナス返済なし、返済期間35年)」の毎月の返済額は「約12.5万円」です。

年収の負債比率は20%以下とされていますので、年収「850万円」の場合は「170万円以下」になります。

毎月の返済額「12.5万円」を年払いにすると「150万円」。
「150万円」<「170万円」と20%以下に収まりますので問題ありません。

あとは、完済が71歳と定年を過ぎた後も支払いが続くことが気になる点ですが、最終的に退職金の一部で完済できそうです。

売却と購入の同時活動

資金計画が固まれば、売却と購入に動けます。

売却に関しては、人気のあるマンションであることは分かっていましたが、想像以上に早く売れ、売りに出して一週間で売却が決まりました。

お客様も私も少々びっくりしました。

また、値下げ交渉にも応じれる査定額でしたが、買い手の方に大変物件を気に入って頂き、値下げ交渉に発展することはありませんでした。

とても気前の良い買い手の方でした。

次に、急いで購入物件も探さないといけませんが、ある程度の目星は既につけていましたので、数件の内見を終え、購入物件も決まりました。

中古一戸建て、4LDKの築5年です。
庭も広く、とても良い物件が出ていました。

今度は、こちらからの値下げ交渉でしたが、物件価格「2750万円」から、50万円の値下げに応じて頂き「2700万円」で決まりました。

住み替え活動を始めてから、本当にトントン拍子で進んだ感じです。

住み替えを終えて

それから、新居への引越しを済ませ、物件の引き渡しも無事に終わりました。

当初ご相談にいらっしゃった時は、不安に押しつぶされそうな顔をされてましたが、終わったあとは、本当に晴れやかな顔をされていました。

お客様からはとても感謝の言葉を告げられ、私としても良い住み替えのサポートが出来たみたいなので、ホッとしてます。

現在は、プライベートにこの時のお客様と、二人で飲みに行く仲になりました。
今でも、住み替えを私に頼んで良かったと言ってくれます。

まとめ

最後に、注意点をまとめます。

  • 買い替えできるからと、安易に返済年数を伸ばさないこと
  • その後も返済できる支払い額であること

住み替えローンを利用する場合、長期の資金計画をしっかり立ててください。
自分だけでは難しいと思いますので、不動産会社のプロと一緒に考えましょう。

ウチラボ編集長
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