ウチラボ 編集長

築年数が古い一戸建てを早く売る方法やポイント・注意点

建築されてから何十年も経っている建物は老朽化が進んでいますので、売却しようと思ってもなかなか買主が見つからず、売却に時間がかかってしまう場合も多くあります。

ただ、そのような状況でも可能な限り早く売却するために工夫できることもあります。

内覧時のポイント

1. 家の中をキレイにしておく

戸建てを売却する場合、購入を検討している人が現れると内覧を希望されるようになります。

内覧は、購入を決断するかどうかでとても重要なステップとなりますので、この内覧時にできるだけ良い印象を与えられるようにしましょう。

簡単にできることですが、家の中をキレイにしておくことはとても重要です。

ゴミやホコリのないようにキレイに掃除しておくことと、もうひとつは、床などに物が散乱していないようにしておきましょう。

棚などの本や雑貨なども、綺麗に整頓したり、必要のないものは見えないように片づけておきましょう。

簡単なことですが、これだけでもかなり印象は変わります。

2. カーテンを明けて明るい室内を演出

これも内覧時の演出になりますが、古い建物はどうしても暗い印象を与えてしまいます。

そのため、蛍光灯だけでなくカーテンを開けて自然の日差しが入るようにするだけでも、部屋の雰囲気が明るくなります。

購入者にとってはずっと住む家になりますから、薄暗い家だと思われてしまうと印象もとても悪くなってしまいます。

3. トイレや台所、風呂場は特にキレイに

普段から住んでいる人は逆に慣れてしまって気付かないことも多いのですが、トイレや台所、風呂場といった場所は、他の人が見ると「汚れている」と感じたり、「なんだか薄暗い」と感じる場合もあります。

客観的な目でチェックしてみて、薄暗い場合には電球を交換するなどして、できるだけ良い印象になるように工夫しましょう。

4. 生活感が出すぎないようにする

ずっと長く住んでいると、どうしても物が増えて生活感が強くなってしまいます。

ただ、購入を検討している人は、これからの住まいをイメージしようとしますので、変に生活感が出過ぎてしまっていると印象が悪くなってしまいます。

また、住んでいる人の趣味で人形や雑貨をたくさん並べている場合も、できるだけ片づけてシンプルにしておいた方が良いでしょう。

インスペクション(住宅診断)の要望があった場合

インスペクションとは、住宅診断のことで、屋根や外壁、室内、床下などを診断することです。

2018年4月(平成30年4月)から、中古住宅を売買する際に、不動産会社は購入希望者に対してインスペクションを利用するかどうかの説明が義務化されています。

そのため、購入希望者がインスペクションを希望した場合、不動産会社は売り主に対して「購入希望者がインスペクションを希望しています」といった連絡を受けるようになります。

そして、売り主がインスペクションを受け入れた場合は、専門家がその物件について様々な検査を行い、専門家の検査結果は買い主と売り主に報告されるようになります。

このインスペクションは強制ではないため、売り主は拒否することも可能ですが、特別な事情がない限りインスペクションを受け入れるようにしましょう。

なぜなら、もし売り主がインスペクションを拒否してしまうと、購入希望者は「あの物件には何か大きな問題があるんだろうな」と考えてしまうからです。

そうなると、購入の話しは進まなくなるのが目に見えています。

また、インスペクションは売り主側にとってもメリットがあります。

専門家がしっかり検査してくれるため、気付かなかった欠陥を知ることができます。

例えば、天井に雨漏りがあったり、シロアリの被害を受けていた場合で売却後に買主がそのことに気付いた場合、民法の瑕疵担保責任によって、売り主側にその責任が発生してしまいます。

しかし、インスペクションによって事前に欠陥を知ることができれば、売却後、大きなトラブルに発展することを避けることができます。

そのようなことから、購入希望者からインスペクションの要望があった場合は、インスペクションを受け入れるようにしましょう。

リフォームはしない方がいい場合もあります

不動産を売る前にリフォームしておいた方が高く売れると思われている人も多いのですが、必ず高く売れるとは限りません。

そして、そのリフォームにかかった費用を上乗せして売れるとは限らないため、必ずリフォームした方が良いということはありません。

また、築年数の古い建物を購入したいと考えている人は、自分の好きなようにリノベーションしたりリフォームしたいと思っている場合もあります。

そのため、売却前にリフォームするのは良い選択にならない場合もありますので、慎重に判断しましょう。

買取業者に買い取ってもらう方法もある

不動産の売却では、これまで不動産仲介業者に仲介してもらい買主を見つけてもらうことが一般的でしたが、最近は「買取業者に買い取ってもらう」という選択肢も一般的になってきました。

これは、買取業者自体が買主になってくれるため、とてもスムーズに売却を成立させることが可能です。

ただ、デメリットとして、買取業者はその物件を買い取った後に自らリフォームをして販売を行うため、買取価格はどうしても安くなってしまいます。

一般的に、買取業者が買い取る金額は、通常の売却価格よりも30%ぐらい低い金額になるといわれています。

取り壊して「更地」にする選択肢もある

建物が古すぎる場合は、そのままでは買い手が見つからず、ずっと売れ残ってしまう場合もあります。

そのような時は、建物を取り壊して「更地」で売った方が早く売却できる場合があります。

更地にすることで、購入者が自由に好きな建物を建てることができますので、もう古い建物がネックになることはありません。

ただ、固定資産税には注意が必要です。

もし、更地にしても売れるまでに時間がかかってしまった場合は、固定資産税を「更地」として支払うことになります。

固定資産税は、建物が建っている土地であれば低く抑えられているのですが、「更地」になると本来の固定資産税額を支払うようになります。

目安として、土地の固定資産税の支払いが6倍になる場合もあります。

そのため、まだ実際に売却の話が本格化していない状況で建物を取り壊すのは止めておいた方が無難かもしれません。

建物を取り壊すべきかどうか悩んだら、まずは不動産売買のプロである不動産会社の担当者に相談されることをオススメします。

不動産の売却は専門性を問われることが多く、常に誰かに相談して進めていきます。

しかし、困ったときに誰に相談すれば良いか分からなければ前に進みません。

分からないままにしていれば、小さな要因が大きなトラブルに発展してしまうこともあります。

ここからは、よくある悩みの内容やそれに対する相談先を解説していきます。

不動産売却の流れ

査定依頼

不動産の売却を検討した時は、まずいくらで売却できるのか把握する必要があります。
把握した価格によって、その後の行動も変わってきます。

まずは、不動産会社に査定を依頼しましょう。

媒介契約

査定価格に納得するれば、不動産会社に売却の依頼を出すことになります。

依頼を出すためには「媒介契約」を結ぶ必要があります。

媒介契約には3つの種類がありますので、それぞれの特徴を解説します。

一般媒介契約

複数の不動産会社に売却の依頼を出せます。

自ら買主を見つけて契約をすることができます。

不動産会社が共有する物件情報サイト(レインズ)への登録や報告義務はありません。

専任媒介契

売却の依頼を出せるのは一社のみです。

自ら買主を見つけて契約することができます。

レインズへの7日以内の登録や2週に1回の報告義務があります。

専属専任売価既契約

売却の依頼を出せるのは一社のみです。

自ら買主を見つけて契約することができません。
レインズへの5日以内の登録や1週に1回の報告義務があります。

一般媒介契約を結んだ場合、他の不動産会社にも売却依頼が出せる為、不動産会社に相談すれば「専任媒介契約」か「専属専任媒介契約」を強く勧めるところが多いです。

媒介契約については、できるだけ利益に関与しない不動産の専門家に相談する方が良いです。

不動産売買契約

売却を依頼すれば、インターネットや新聞折り込みなどを用いて売却活動に動きます。

無事に購入希望者が見つかり、互いに条件に合意できれば不動産売買契約を結びます。

残金決済、引き渡し

不動産売買契約からおよそ1ヶ月後、残代金を受け取り鍵を引き渡します。

住み替えであれば、売主はこの日までに新居の引っ越しを済ませます。

不動産を相続した時のポイント

不動産売却の悩みで多いのが「相続」です。
手続きにより相談する専門家が変わってきますので、それぞれ解説していきます。

遺産分割について

相続された不動産を売却するには「相続登記」が必要です。
しかし、親族同士で話し合いを済ませなければいけません。

遺産分割で揉めている場合は「弁護士」に相談します。

登記の相談

遺産分割で揉めていない場合は、弁護士に相談する必要はありません。
所有権を移転する為に「司法書士」に相談しましょう。

相続税の相談

相続した財産が一定の額を超える場合は、相続税が課せられます。

相続税に関わる財産は、預貯金や株、不動産など全ての財産ですが、相続税の計算に入らないものもあります。

相続する財産が多い場合は「税理士」に相談してください。

不動産売却後のトラブル

不動産を売却した後にトラブルを抱えることは珍しくありません。

引き渡した不動産に瑕疵(かし)が見つかれば売主は責任を負う必要があります。

これを「契約不適合責任」と言い、瑕疵とは「見えない欠陥」のことです。

契約不適合責任は引き渡しから3ヶ月と定めるのが一般的ですが、古い建物の場合は契約不適合責任を免責する特約を結ぶこともあります。

ここでよくあるトラブルが、瑕疵に当たるかという問題です。

例えば、経年劣化や買主の過失と思える設備の故障です。

判断に困ったときは、まず「行政の宅地建物取引業者を管轄する窓口」に相談することです。

しかし、買主に訴えられたり損害賠償を請求された場合は、速やかに弁護士に相談してください。

不動産会社選び

不動産会社は自ら探していく必要があります。
もし知人が信頼できる不動産会社を知っている場合は、ぜひ紹介してもらいましょう。

自分で探す場合のポイントは「誠実な会社」であるかです。
中には、売主の利益ではなく不動産会社に都合の良い動きをするところもあるからです。

よくあるのが「囲い込み」です。
囲い込みとは、売却を依頼された物件情報を他社に開示せず、売主・買主両者から仲介手数料を受領しようとする手口です。

売却を依頼した時に囲い込みを考えている不動産会社であれば、あえて「一般媒介契約」を勧めてくることがあります。

一般媒介契約は、唯一不動産会社が共有する物件情報サイト(レインズ)への登録義務がない為です。

このような手口に嵌らないように「一般媒介契約」を結んだ場合は、複数の不動産会社に売却の依頼を出してください。

ただし、あまり多くの不動産会社に売却の依頼を出してしまうと、それだけ窓口が多くなりますので大変です。

まとめ

以上のように築年数が古い建物を売却する場合は、売れ残らないようにするために様々な工夫が必要になります。

不動産の取引は様々な場面で悩むことが多いです。
少しでも悩んだ場合は、すぐに専門家に相談することが大切です。

経験豊富な不動産会社に売却の依頼をすれば、専門家の紹介もしてくれるはずです。

大切なことは、信頼できる不動産会社を選ぶことです。

そのため、まずは不動産の査定を依頼して物件の価値をしっかり把握するところから始める必要があります。

また、複数の不動産の査定をしてもらうことで、どの不動産会社が一番信頼できそうか、どの会社なら売却を安心して任せられそうかといったところにも気付くことができます。

一社だけに問い合わせてしまうと会社同士の比較ができないので、一括査定を依頼される方が安心です。

古い建物の売却に悩まれている場合は、一括査定を依頼して、それから疑問点や気になるところを納得いくまで相談されることをお勧めします。

ウチラボ編集長
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