家の住み替えは「売却」を先にするのがおすすめ。住み替えで失敗しやすいケースとは?
目次
住み替えで進め方を迷ったら
住み替えは、人生で一番高い買い物と言われ、一生に一度が一般的でした。
今は、老後に備えて2回目の住み替えが多くなっています。
理由は、核家族や平均寿命の増加など様々です。
ここ10数年で建てられた建物は「バリアフリー化」が進んでいる為、老後に快適な生活が送れることと思います。
しかし、住み替えで失敗した場合は老後の生活に大きく影響します。
住み替えで大きな分かれ道になるのが、売却と購入のどちらを先にするかです。
私自身は、売却を先にすることをお勧めしています。
今回は「売却を先にするメリット」に焦点を絞って解説していきます。
売却を先にすることをお勧めする理由
住み替えで難しいポイントは、売却と購入のタイミングです。
どちらを先にするかで、資金計画、スケジュールが変わってきます。
それぞれの注意点として一般的な考え方は、以下のように分かれます。
売却を先にした場合
売却を先に済ませた場合、住み替え先の購入を急ぐ必要があります。
引き渡しまでに間に合わなければ、仮住まいを用意し、家賃と引っ越し費用が余計に掛かります。
購入を先にした場合
売却資金を購入資金に当てる方は多いと思います。
その場合、購入の決済までに、売却の手続きを済ませる必要があります。
間に合わなければ、手付金を解約金として、契約を解除することになります。
決済のタイミング
それぞれの注意点をお話しましたが、一番良い方法は、売却と購入を同時に行う事です。
しかし、その調整が難しいのが、現実の住み替えです。
では、どちらを重視して売買に動くかと言えば「売却」です。
先の売却を重視する
売却を重視する理由は、資金面で有利だからです。
先ほど「売却資金を購入資金に当てる方が多い」とお話しましたが、これが理由です。
売却を先にすることを重視すれば、じっくり売却活動と交渉に専念できるため、納得のいく売却額で契約できるまで粘ることができます。
売り急ぐ必要がない為、不要に売却額を下げる必要がありません。
先の売却は、仮住まいというデメリットの可能性がありますが、購入を先にするよりはリスクが小さいと言えます。
売り急いで売却額を下げた場合と比べて、損失の額に大きな差が出ます。
もちろん、資金面で余裕があれば、購入を先にしても問題ありません。
住み替えの流れ
住み替えの流れを簡単に説明していきます。
査定の依頼
住み替えで一番初めに起こす行動は、不動産の査定依頼です。
不動産会社に査定依頼を出しに行きましょう。
ただし、不動産会社、担当者によって査定額は変わってきます。
その後の宣伝方法や方針も違います。
不動産一括査定サイトで、複数の不動産会社に査定依頼を出してから、売却をお願いする不動産会社を選ぶことをお勧めします。
売却の依頼
査定の結果がでれば、次は実際に売却の依頼です。
依頼方法は、一社のみに依頼するか、複数に依頼するか決めなければいけません。
こちらも、それぞれメリットとデメリットがあります。
一社のみに依頼
一社のみに依頼する場合は「専任媒介契約」を結びます。
窓口が一つになり、依頼者の負担を減らせます。
また、依頼された不動産会社が優先して売却活動に励んでもらえます。
しかし、不動産会社、担当者に力がなければ、良い物件でも売れないことがあります。
実際に、売却額を変えずに他の不動産会社に依頼して、すぐに売却が出来たという話はよくあります。
複数に依頼
窓口が複数になり、依頼者の負担が増えます。
不動産会社にとっては、他の不動産会社で契約される可能性がある為、専任媒介契約よりも売却活動の優先度が下がります。
ただ、多方面で売却の宣伝が行われるため、購入者に情報が伝わりやすいです。
売買契約から引き渡し
買主がみつかれば「売買契約」を結びます。
契約後は決済の末、引き渡しを終えれば売却は完了です。
購入の依頼
住み替え先探し
不動産会社に住み替え先の希望条件を伝えて、物件情報をもらいます。
気に入った物件があれば、現地を見に行きます。
このあたりは賃貸と同じですが、居住中の可能性もあります。
居住中であれば、生活のイメージがしやすくなります。
空き室であれば、遠慮せずに細かいところまで確認しやすいです。
売買契約
住み替え先がきまれば、購入の「売買契約」を結びます。
住宅ローンの手続き
購入の時は、この時点で住宅ローンの手続きを開始します。
ここでは「本審査」を行いますが、購入する物件が決まっていれば「事前審査」も可能なので、活用しましょう。
入居
住宅ローンの審査が通れば、決済を済ませ、物件の引き渡しを受けれます。
住み替えで失敗しやすいケース
買い手が見つからず、希望物件が他で契約されてしまった
住宅を売却する場合、少しでも高く売却できればと、初めての購入申し込みを断ってしまうケースが多くあります。
少しでも高く売却できれば、今後の生活を快適にできるので気持ちは分かります。
しかし、その後に今の条件で購入の申し込みが入らず、結局価格を下げてしまい「初めに受けた申し込みを断らなければ良かった」というお話はよく聞きます。
そうならない為には、資金計画をしっかり立てて置くことが大切です。
住宅ローンの残債と、今後の毎月の支払いなどを考慮し、希望条件に達していれば即決しましょう。
ただし、転勤や引越しなどで不動産の動きが多い3〜4月、9月は、もう少し検討しても良い時期です。
そして、購入する物件についても、譲れない条件をはっきりさせておきましょう。
まず、すべての条件を満たせる物件は無いと思ってください。
そうしなければ、いつまで経っても物件は見つかりません。
売却に焦ってしまい、値下げをしすぎてしまった
先に住み替え先を購入すれば、住宅の売却を急がなければなりません。
購入した物件の決済が近づけば、値下げに応じてでも売却を進めなければなりません。
不動産会社に買取を依頼することもできますが、売却額は相場の3割減と思って下さい。
住み替え先の資金は売却資金を当てる事が多いですが、不動産会社に買取を依頼すれば、たいてい想定していた売却額を下回り、その分借入額は大きくなってしまいます。
先に住み替え先を購入する場合で、よくある失敗のケースです。
こうなると、毎月の返済額と返済期間が伸びる為、改めて資金計画を立てる必要があります。
毎月の支払いが生活に支障がないか確認しましょう。
返済期間についても、特に定年を超える場合は、よく検討してください。
退職金で完済という計画もありますが、今の時代は何が起こるか分かりません。
出来る限り、返済期間は定年までに設定することをお勧めします。
売却が間に合わずに購入物件の契約解除
住宅の売却が間に合わなければ、せっかく購入を決めた物件の「契約解除」になります。
契約解除では、手付金を解約金として支払う必要があります。
ここで絶対に注意しなければいけないのが「契約解除の期限」です。
期限を過ぎてしまった場合は、解約金どころか違約金まで発生します。
違約金は、売買金額の20%が相場です。
そうならない為に、期限だけは必ず確認しておいてください。
期限が近付いた時に出来ることは、契約解除の期限について交渉することです。
相手側にもスケジュールがあるので、断られる可能性が高いことは念頭においてください。
住み替えが間に合わずに、仮住まいに引っ越し
売却を先に進めれば、住み替え先探しを急ぐ必要があります。
もし、売却した住宅の引き渡しまでに新居に入居できなければ、仮住まいに引っ越ししなければなりません。
そうなれば、引っ越し代に家賃は2倍と大きな出費です。
もし、資金計画をギリギリで考えていた場合は、かなり厳しくなります。
大切なのは、仮住まいを用意する可能性も考慮して、資金計画を立てることです。
そうすれば、何も慌てることはありません。
住み替えで失敗しないための注意点
住み替えは、売却と購入のタイミングが重要です。
購入を先にする場合は、資金計画と同時に、不動産会社と取り決めを行っておけば安心です。
売却活動は一定期間行い、期間内で売却できなければ、不動産会社に買取って頂きます。
これを事前に決めていれば、購入物件の契約解除になるリスクが無くなります。
また、買取で売却額が下がる可能性も資金計画に含めておけば、後から慌てることもありません。
売却を先にする場合のリスクは、新居への入居が間に合わなければ、仮住まいを用意する必要があることです。
しかし、購入を先にするよりは、比較的リスクは小さいと思います。
もし、売却と購入のどちらを先にするべきかと聞かれれば、先に売却することを勧めます。
メリットがいくつもあるからです。
- 売却に時間をかけられ、売却額にこだわった活動ができる。
- ローンを完済できれば、購入物件の住宅ローンの審査が通りやすくなる。
- 売却額が住宅ローンを上回れば、物件の購入資金や預貯金などに回せる。
- 実際の売却額が分かるので、物件購入に使える金額が分かる。
- 今後の生活費用など、資金計画が立てやすい。
もし、住み替えで極力失敗を避けたい場合は、売却を先に進めましょう。
それでも、転勤や隣人トラブルなど急いで引っ越さなければいけない時もあります。
今回、住み替えに関する失敗例や注意点を説明してきました。
住み替えは状況により、手順や手続きが変わってきます。
住み替えを検討されている方は、自分の状況を整理し、注意すべきところをよく確認して下さい。
前もって準備をすれば、何も慌てず住み替えは出来ます。
今後の暮らしを快適にするために、計画的に行動することが大切です。
まとめ
住み替えでは「売却」を重視することをお勧めしてきました。
資金面で有利な為、もし資金面で余裕があれば、購入を先にしても問題ありません。
むしろ購入を優先して動けば、じっくり購入する物件を探すことができます。
売却と購入のタイミングを考えることが重要ですが、一番良いのは「同時売買」です。
また、タイミングを考えるには、売却と購入の流れをある程度は把握しておく必要があります。
実際は、不動産会社の担当者と、資金契約、住み替えのスケジュールについて、しっかり話し合いましょう。
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