ウチラボ 編集長

相続した家や土地を売却するために必要なポイントや注意点

相続で一戸建てや土地を譲り受けた場合、その不動産のことについてあまり詳しくないということもあると思います。

また、不動産の売却が初めてだと、何から始めればいいのか悩まれてしまうと思います。

そこで、相続した土地や建物を売却するために必要なことをご説明します。

まずは相続登記から

不動産は、相続したからといって自動的に所有者が相続した人に変更されるわけではありません。

不動産を相続した場合は、その不動産の所有権を変更する必要があります。

具体的には、相続した不動産の名義変更をするために「相続登記」を行います。

なぜ、この相続登記が必要かというと、不動産を売却しようと思っても法律上、所有者本人しか売却することができないからです。

そのため、まずは「相続登記」をすることから始めましょう。

なお、登記は司法書士に依頼する必要がありますが、お知り合いに司法書士がいない場合は、査定を依頼した不動産業者に相談すれば紹介してもらえると思います。

境界を確定しておこう

お隣の土地との境界が明確になっているか確認しましょう。

隣接する土地との境界が確定している場合は、コンクリートなどが打ちつけられた境界標(境界杭)があると思います。

また、「境界確定図」があれば境界は確定していると思ってよいでしょう。

なお、境界確定図は法務局で発行してもらうものではありません。

通常は所有者が手元に置いているはずですので、権利証(登記済証または登記識別情報通知)と一緒に大事に保管してあるかと思います。

境界が確定していない場合

境界が確定している場合は問題ありませんが、いろいろ調べてみて境界が確定していないことが判明した場合は、土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)に依頼して境界を確定してもらう必要があります。

不動産を売却するためには、お隣の土地との境界が確定していないと、なかなか売却することができません。

また、将来的にトラブルに発展する可能性もありますので、早めに境界は確定しておくようにしましょう。

なお、境界の確定は土地家屋調査士に依頼する必要がありますが、お知り合いに土地家屋調査士がいない場合は、査定を依頼した不動産業者に相談すれば紹介してもらえると思います。

» 境界の確定について詳しくはこちら

とても古い建物が建っている場合

相続した土地の上に、これ以上住むのは難しいぐらいの古い建物が建っている場合は、そのまま売却するか、建物を取り壊して売却するかを判断する必要があります。

そのまま売却した方が費用はかかりませんが、買主がなかなか見つからない可能性や、購入希望者から取り壊し費用分ほど値下げを要求され結果的に売却価格が安くなる可能性もあります。

一方、取り壊して売却する場合、事前に取り壊し費用がかかってしまいますが、新築の建物を建てやすいため早く買い手がつく可能性があります。

ただ、更地にしたまま売れ残ってしまうと、固定資産税は更地で課税されてしまうため、納税額が一気に高くなってしまう恐れもあります。

建物を取り壊すべきか、そのまま売却するかについては、一般の方が判断するのはとても難しいため、不動産業者の担当者と相談して決めた方が良いでしょう。

現地案内の前に綺麗にしておこう

不動産の売却の話が進むと、購入希望者から現地を見学したいとお願いされるようになります。

購入希望者が買ってくれるかどうかは、現地見学の際の印象がとても重要ですので、できるだけ綺麗にしておきましょう。

例えば、ゴミが散乱しているとそれだけで印象が悪くなりますし、「あまり治安が良くないところなのかな」などと不安にさせてしまいます。

できれば、ゴミを掃除したり、背が高くなった草があれば刈ったりして、綺麗な状態にしておくようにしましょう。

特に、建物の内覧であれば事前に必ず予約をしてもらえますが、土地の場合は、予約をしなくてもその場所に行けば物件を確認できるため、購入を検討している人が一人で見に行く可能性もあります。

そのため、売却活動を開始した時点で一度、物件の掃除などをしておくことをお勧めします。

早めに不動産業者を見つけておこう

不動産の売却は一般の人には難しいため、プロの不動産業者に相談したり対応してもらうようになります。

そのため、まずは不動産の査定を複数の会社に依頼して、信頼できる不動産業者を探すようにしましょう。

複数の不動産業者に査定を依頼することで、どの不動産業者が一番信頼できそうか、どの担当者が一番話しやすかったか、いろいろと比較することができます。

相続した家を売却するには「共有者全員の同意」が必要

不動産を売却する理由は人それぞれです。
この記事では「相続」をきっかけに売却を検討される方に向けて書きました。

相続で譲り受けた不動産を売却する理由は、一般的には以下の場合だと思います。

  • 特に利用する目的がない為
  • 遺産を分割する為

相続した不動産は、分割しやすいように売却して現金にすることが多いです。
これから、相続の基礎知識と売却による注意点を解説していきます。

相続の基礎

相続の対象は、預貯金や株、不動産など全ての財産です。
その合計額の内、基礎控除額を超えた分が相続税の対象になります。

それでは、基礎控除額の計算方法を説明致します。

3000万円+法廷相続人×600万円

例えば、妻と子供が2人いる場合の基礎控除額です。

3000万円+3人×600万円=4800万円

基礎控除額を超える相続財産がなければ、相続税の申告も義務もありません。

このように控除額は大きい為、ほとんどの方は対象にならないと思います。

また、負債も相続の対象である点にご注意ください。
それから相続税に含まれない財産も有ります。

生命保険や退職金などの合計額の内、法定相続人一人当たりの金額が「500万円」以内のもの
墓地、墓石、仏壇や弔慰金、花輪代
注)ただし、金の仏像などの骨董品、常識を超える弔慰金は相続税の対象になる可能性があります。

相続税評価額

対象不動産の価格は、売却するまで分かりません。
しかし売却するまで待つのは相続の手続きに支障をきたします。

その為、不動産については「相続税評価額」で評価します。

相続税評価額は、国税庁のホームページにある「相続税路線価」を利用して計算されます。

不動産によって計算方法は細かく分かれますので、細かい計算は税理士などに依頼することになります。

尚、株については被相続人の他界した日の時価が相続税評価額です。

相続した不動産の分割方法

相続した不動産をそのまま遺産分割する方法は難しのが現状です。

現金はそのままの金額ですが、不動産は「相続税評価額」で評価される為です。

例えば、現金で相続する相続人と土地で相続する相続人を例に出します。

  • 現金1000万円を相続
  • 土地(相続税評価額:1000万円)を相続

上の例では一見平等に見えますが、相続税評価額は時価の80%程度で設定されています。

相続直後に土地を売却すれば「1250万円」で売却できる可能性がありますが、もっと安くもしくは高く売れる可能性もあります。

このように、不動産では実際の価値が分かりづらい為、不動産のままでの遺産分割はトラブルの原因になります。

もし相続税評価額でも納得しての相続であれば、不動産のまま相続しても問題ありません。

相続した不動産を売却する時の注意点

共有者全員の同意

共有持ち分のある不動産を売却する場合は「共有者全員の同意」が不可欠です。

3人の内2人というような過半数ではダメです。

共有持ち分のある不動産の売却は、まず共有者全員から同意を得ることから始まります。

売却活動から契約まで担当を一人に決める

何かあるたびに全員の同意を得ていては、売却活動は進みません。
窓口となる担当者を決め、基本的な決断を一人に委ねるべきです。

大切なところは事前に相談しておきましょう。
共有者が一番気になるところは「売却額」です。

売却後に「もう少し高く売れたのでは」と揉める事のないように「最低売却額」を決めておくことです。

実際の売却では購入希望者からの値下げ交渉がよくあります。

最低売却額を決めていれば迷うこともありません。
また、売りに出してすぐに売却というケースも珍しくありません。

その場合も他の共有者から「もっと高く売れたのでは」と言われることがあります。

逆に初めの購入希望者を断ってから、それ以上の好条件の購入希望者が現れなかったというケースもよくあります。

ここでお伝えしたいことは、一度窓口となる担当者を決めた後は、どのような結果になっても担当者を責めないで頂きたいということです。
担当になった方は、最善を尽くして活動されます。

売却まで相当神経を使うはずです。

むしろ売却後は、担当に選んだ人を労って頂きたいと思っています。

まとめ

相続について色々と解説してきましたが、難しいことは不動産会社や税理士に教えて頂けます。

大切なことは、共有者全員がしっかり話し合いをしてから進めることです。

それから「最低売却額」の設定は、不動産会社とよく相談して決めましょう。

信頼できる不動産会社のアドバイスが必要なため、不動産選びはとても重要です。

出来れば「不動産一括サイト」などを利用して、複数の会社から査定額の提示を受ける事をお勧めします。

各社から提示される査定額はバラバラになると思います。

実際いくらで売却できるかは、売却が決まるまで分かりません。

その時、対象不動産の条件にぴったり合う不動産を探している買い手が現れれば、高い価格で売りに出しても売却できる可能性が高いです。

もし高い査定額でも納得できる根拠を説明していただけた場合は、その価格で売りに出しても良いと思います。

また、査定額以外にも信頼できると思える担当者であれば、売却の依頼を出して大丈夫です。

ウチラボ編集長
家を売るなら、無料の一括査定サイトがおすすめです。

「不動産の売却を検討されている方」や「家の査定価格が気になる方」には、一括査定サイトがオススメです。

一括査定サイトでは、一度の入力で複数の不動産会社に一括で査定を依頼できますので、大変便利です。
私がお勧めする一括査定サイトは「リビンマッチ」です。

無料の一括査定サイト【リビンマッチ】

» 無料の不動産一括査定サイト【リビンマッチ】

複数の不動産会社に一括で査定依頼。最短45秒の簡単入力!
売却実績が豊富な優良不動産会社が参加しています。

TOP > 売却・査定のポイント > 相続した家や土地を売却するために必要なポイントや注意点